21.「ココ・アヴァン・シャネル」(2009年)
ファッション・デザイナー「ココ・シャネル」の若き日を描いた伝記物語。
田舎の仕立屋で働いていた彼女が、
ファッションを通して女性を解放していくまでの姿を、
「アメリ」のオドレイ・トトゥが熱演しています。
当時主流であったフリルだらけの服装を嫌い、
実用的な女性服を見出し、
「エレガント」の定義を変えたココ・シャネル。
知られざるシャネルの歴史を知ることができる
ファッションの教科書のような作品です。
シャネルスーツが時代を超え愛され続けている理由がわかるでしょう。
22.「お買いもの中毒な私!」(2009年)
主人公はニューヨーク在住、一流ファッション誌の記者志望の女性レベッカ。
買い物中毒でもある彼女は、
ひょんなことから経済雑誌で働くことになってしまいます。
彼女が繰り広げる騒動やロマンスをコメディタッチで爽やかに描きます。
「SATC」のスタイリスト、パトリシア・フィールドが衣装を担当。
彼女が得意とする、大胆なカラフルなコーディネートが本作でも満載。
ビビットカラーや柄もの、キラキラ装飾のある衣装など、
女性が元気になれるような衣装ばかりなので、
落ち込んだ時に見たいビタミンムービーでもあります。
23.「ミッドナイト・イン・パリ」(2012年)
憧れのパリを訪れていたハリウッドの人気脚本家のギル。
夜散歩に出かけた彼は1920年代のパリにタイムスリップし、
敬愛する偉人たちと対面。
不思議な時間を過ごすのでした。
ウディ・アレン監督が仕掛けるおしゃれなファンタジー作品です。
1920年代の黄金期のパリにタイムスリップした主人公。
そこには上質なスーツを着こなす偉人達や、
ノスタルジックなドレス姿の女性たちの姿が。
洗練されたファッションと幻想的なパリの雰囲気にうっとり。
主人公を魅了する女性アドリアナを演じたのはマリオン・コティヤール。
彼女はクラシックな装いが非常に似合います。
24.「タイピスト!」(2012年)
1950年代のフランス。
タイプの早打ちだけが取り柄という田舎育ちで不器用な主人公が、
タイプ早打ち世界大会に出場し優勝を目指す物語。
初の長編作となる新鋭レジス・ロワンサル監督が手掛けたフランス映画です。
1950年当時のテイストのファッションはカラフルでとてもキュート。
Aラインのふんわりスカートにきゅっと結んだポニーテール。
可憐さと上品さのある50年代の女性の可愛らしさが、
ファッションに凝縮されています。
お手本にしたい要素たっぷりのフレンチおしゃれ映画です。
25.「her/世界でひとつの彼女」(2013年)
舞台は近未来のロサンゼルス。
妻と別れたばかりの孤独な男性セオドアは、
人口知能型OSサマンサと出会います。
声だけの存在の彼女に次第に惹かれていくという異色の恋愛ストーリーです。
近未来のロサンゼルスの街並みがとてもおしゃれです。
暖色を基調としたセオドアのオフィスは、
インテリアも小物もセンス良く統一されています。
セオドアの赤やピンクのコーデとの相性もバッチリ。
さりげないおしゃれが心地よい作品です。
26.「華麗なるギャツビー」(2013年)
1920年代のニューヨーク・ロングアイランド。
豪邸に暮らす謎の大富豪ジェイ・ギャツビーは
毎晩盛大なパーティーを開いていました。
ある日ギャッツビーは、隣人のニックに生い立ちを話しますが、
ニックはできすぎた物語に疑いを持つのでした。
バズ・ラーマン監督ならではの豪華な衣装とインテリア。
上流階級衣装はプラダやミュウミュウなど
高級ブランドが手掛けているということで非常に煌びやかでゴージャスです。
ヴィンテージでありながら、斬新なファッションは見ているだけで楽しめます。
27.「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)
1932年、高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」の
伝説的なコンシェルジュと、彼を慕うベルボーイ。
常連客マダムDをめぐる事件に巻き込まれた二人の冒険を描きます。
ウェス・アンダーソン監督と豪華キャストが集結したおしゃれコメディ映画です。
欧州の架空の国にあったという設定のホテルは、
絵本の中に入り込んだようなメルヘンチック。
衣装、インテリア、壁紙、スーツまで、計算しつくされた独創的な色使い。
クラシカルでありながら、
近未来のようなアンダーソン節炸裂のおしゃれ映画です。
28.「アメリカン・ハッスル」(2014年)
FBI捜査官リッチーに逮捕された詐欺師アーヴィンと相棒で愛人のシドニー。
二人は無罪放免と引き換えに、
大物汚職政治家たちを逮捕するためのおとり捜査に協力するハメになります。
実際に1979年に起きた大物政治家らによる収賄スキャンダルをもとにした作品です。
エイミー・アダムスとジェニファー・ローレンスのセクシーすぎる70年代の衣装の数々。
特に元ストリッパー役のエイミーの衣装は露出の多めでしたが、
下品にならずにパワフルに着こなすところがさすがでした。
グッチのバッグやアクセサリーがたくさん登場するところも本作の見どころです。
29.「キャロル」(2015年)
クリスマスシーズンにデパートのおもちゃ売り場でアルバイトをしていたテレーズ。
子供のプレゼントを買いに来た優雅でミステリアスな女性キャロルに心を奪われます。
惹かれ合う二人の女性の運命を描いた恋愛映画。
ケイト・ブランシェットがアカデミー主演女優賞にノミネートされるなど、
さまざまな映画賞にノミネート、受賞しています。
舞台は1952年のニューヨーク。
キャロルのファッションは赤いコートは毛皮のコートなどゴージャスなのですが、
深みのある色や上質な素材なので、とても洗練された雰囲気。
主張してそうで控えめなファッションが、
キャロルのミステリアスさをより際立てています。
彼女のファッションに酔いしれるだけでも見る価値のある作品でしょう。
50年代ニューヨークのクリスマスシーズンを再現したインテリアにも注目です。
30.「ブルックリン」(2016年)
アイルランドの田舎町からニューヨークにやってきた内気なヒロインが、
二つの国の間で愛や運命に翻弄される成長物語です。
アイルランド・イギリス・カナダ・アメリカ合作。
アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、脚本賞にノミネートされました。
1950年代のニューヨークのおしゃれが詰まった作品。
デパート、街並み、カフェ、ビーチ、ダンス会場など、
どのシーンもこだわりを感じる美術と衣装で楽しませてくれます。
内気なヒロインが徐々に強い女性になるにつれて、
開放的な衣装になっていくところも見どころです。
31.「カフェ・ソサエティ」(2016年)
1930年代。映画業界に憧れる青年ボビーは、
ハリウッドで成功を収めた叔父フィルのもとへやってきます。
フィルのもとで働きはじめたボビーは、秘書のヴォニーに恋をするのでした。
ウディ・アレン監督がコミカルに描く男女の恋物語です。
黄金期のハリウッドを再現した衣装や美術。
豪華なドレスやハイジュエリーは、
シャネルが本作のためにデザインしています。
キュート系のヴォニーとゴージャス系のブレイク・ライヴリー。
このヒロイン二人の対照的な衣装も楽しめるでしょう。
32.「ベイビー・ドライバー」(2017年)
iPodで音楽を聴くことで天才的なドライビング・テクニックを覚醒させるベイビーは、
犯罪組織の逃がし屋として活躍。
しかしウェイトレスのデボラに出会い足を洗おうとするのですが、
予想外の方向に進んでしまうのでした。
主人公が聞いているiPodお気に入りのナンバーは
ソウル、ロック、ジャズなど多彩な曲なのですが、
音楽のビートとカーアクションや人の動きが見事にリンクしている
というおしゃれな演出が最高です。
カーチェイス版「ラ・ラ・ランド」とも言われています。
33.「ラ・ラ・ランド」(2017年)
ロサンゼルスの映画スタジオのカフェで働く女優志望のミアは、
いつもオーディションに落ちてばかり。
ある日、偶然ジャズバーで出会ったピアニストのセブと恋に落ちます。
女優の卵とジャズピアニストの恋物語を音楽とダンスで描く、
デイミアン・チャゼルが監督の最高傑作。
本作は普通のミュージカル映画と一味違います。
歌とダンスだけでなく
「カラフルでおしゃれな色使い」「粋なカメラワーク」で
観客を映画の世界に引き込みます。
主役のふたりはなんと100回もの衣装替えをしたといいます。
普段ミュージカル映画をあまり観ない方でも楽しめる作品でしょう。
34.「シンプル・フェイバー」(2018年)
同じクラスの子供を持つシングルマザーのステファニーと
ファッション業界で働くセレブママのエミリー。
二人は意気投合し良き友人になります。
しかし突然エミリーが失踪。
ステファニーは彼女の謎を追いかけるのでした。
ミステリー小説が原作のサスペンス映画です。
ドラマ「ゴシップガール」で大ブレイクしたブレイク・ライヴリー。
華やかでゴージャスな彼女はおしゃれ映画に欠かせない存在ですが、
本作は特にハイセンスな着こなしを披露しています。
メンズスーツのような衣装が多いのですが、
これはスーツ好きのおしゃれ監督ポール・フェイグの着こなしを参考にしているそうです。
バリバリにきめたコーデのエミリーとは対照的な、
ステファニーの可愛い系の衣装にも注目です。
35.「オーシャンズ8」(2018年)
仮出所したデビー・オーシャンは、犯罪計画を実行するためにチームを招集。
世界最大規模のファッションイベントで,
1億5,000万ドルの宝石を強奪するという前代未聞の計画でした。
「オーシャンズ」シリーズの女性版。
サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイなど
豪華女優陣の共演に注目です。
ファッションの祭典「メットガラ」で繰り広げられる強奪計画ということで、
盗むほうも、盗まれるほうも、みんなハイブランドの衣装。
これを見ているだけで目の保養になるでしょう。
しかし何と言っても注目は、
ケイト・ブランシェットのかっこよすぎるファッション。
皮パン、ブーツ、ヒョウ柄アウターなど、クールに着こなす姿には、
女性からも「惚れた」という声が続出しました。
36.「魔女がいっぱい」(2020年)
1960年代、ある豪華なホテルにやってきた、おしゃれで美しい女性たち。
彼女たちは実はみんな魔女で、邪悪な計画を実行しようとしていました。
そんな彼女たちの企みをある少年が聞いてしまうのでした。
「チャーリーとチョコレート工場」などの原作者ロアルド・ダールの児童文学を、
ロバート・ゼメキス監督が映像化したファンタジー映画です。
邪悪な真の姿と真逆の美しくおしゃれな姿で生活している魔女たち。
大魔女を演じるアン・ハサウェイの60年代のポップなファッションが見どころ。
千鳥格子柄のセットアップ、大きなリボンのついたピンクコートなど、
レトロファッションがたくさん出てきます。
恐ろしい魔女の姿になっても、不気味なセンスの良さがありました。
37.「mid90s ミッドナインティーズ」(2020年)
1990年代のロサンゼルス。
13歳のスティーヴィーは、母親と兄と3人暮らし。
小柄なスティーヴィーは、大きくて力の強い兄を見返したいと思っていました。
そんな彼は、ある自由な少年たちの仲間になるためにスケートボードに打ち込むのでした。
スケートボードを通して仲間と成長する主人公を描いた青春ドラマです。
映画のタイトルにあるように、90年代を描き、ストリートファッションを再現しています。
「ストリートファイターⅡ」のTシャツを着ていた主人公が、
スケーターの仲間たちと交流するうちに、
ストリートファッションアイテムを取り入れていく姿に、
共感できる方も多いでしょう。
ヒップホップ好きの兄のファッションとの違いも面白いですね。
38.「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」(2021年)
舞台は20世紀フランスの架空の街。
ある雑誌の編集長が急死したことで、雑誌の廃刊が決定します。
この最終号をめぐる編集者は記者たちの物語を描きます。
監督はおしゃれ映画が得意のウェス・アンダーソン。
本作も彼の世界観を存分に楽しめる内容になっています。
独特の、黄色、オレンジ、グリーンなど、統一された色使い。
衣装はもちろん、壁紙やインテリア、小物すべてが計算されているので、
どのシーンも洗練された映像です。
今回はさらにモノクロシーンとカラーシーンを使い分けられており、
より複雑なウェス・アンダーソンワールドを堪能することができます。
39.「バビロン」(2022年)
サイレント映画からトーキーへと移り変わる
1920年代~30年代のハリウッドを舞台に、
サイレント映画の大スター、新人女優、映画制作を夢見る青年の物語を描きます。
監督は「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督。
マーゴット・ロビーが着こなす大胆なドレス、
ブラッド・ピットの高級スーツなどゴージャスな衣装の数々。
さらに20年代の煌びやかでカッコいい音楽。
ハリウッド黄金期の美しさやカッコよさが凝縮された作品です。
40.「ミセス・ハリス、パリへ行く」(2022)
1950年代のロンドンに暮らす家政婦のミセス・ハリスは、
勤め先でクリスチャン・ディオールのドレスに一目ぼれ。
高価なディオールのドレスを手に入れるために必死で働き、
パリへ向かうのでした。
ディオールのドレスがテーマの作品ということで、
ディオールの全面協力を得ている本作。
1957年春夏コレクションの「プエルトリコ・ドレス」の実物が登場したり、
ディオール本人がスケッチを参考に作られた衣装など、
ファッション好きにはたまらないファッション映画です。
まとめ
今回はおしゃれ映画を年代順に40作品ご紹介してきました。
ファッションやインテリアなど参考になるものも多いので、
ぜひチェックしてみてくださいね。