ボヘミアンラプソディで「パキ野郎」はパキスタン系への差別用語だった!

映画「ボヘミアンラプソディ」の冒頭、

フレディが「働けパキ野郎」と言われるシーンがあります。

インパクトのあるシーンですが、

この「パキ野郎」の意味がわかりにくい方も

多かったようです。

今回は「パキ野郎」のセリフについて

深掘りしたいと思います。

ネタバレを含みますので、本編ご鑑賞後に記事をご覧ください。

目次

ボヘミアンラプソディ「パキ野郎」が意味するものは?

パキスタン系への差別用語


https://blockbuster01.com/news-bohemian-rhapsody-lied-to-you

映画の冒頭シーン。

空港の荷物係のバイトをしていたフレディに

同僚らしき男性が

働けパキ野郎

と言います。

この「パキ野郎」とは

Pakistani(パキスタン人)が省略されてPakiとなった言葉で、

パキスタン系への差別用語です。

しかしフレディはペルシャ系インド人とされており

パキスタン系ではありません。

このシーンのフレディも

パキスタン人じゃない

と言い返しています。

インド系も「パキ野郎」と呼ばれていた

イギリスでは、

・インド
・バングラデシュ
・アフガニスタン

これらの移民に対しても

「パキ」と呼んでいたそうです。

欧米の人などには

日本人も中国人も韓国人も同じに見える

という感覚なのでしょう。

もともと元植民地出身の民族に対し

差別心を込めて言うネガティブな言葉なんだそうです。

だからインド系のフレディも

パキ野郎と呼ばれていたのですね。

インド系は「パキ野郎」に激怒する

イギリス人にとって

パキスタン系もインド系も同じ元植民地出身の民族

と見えていたのでしょう。

しかしパキスタンとインドは

文化や宗教が異なり、

敵対関係という事情があります。

そのため、

インド系の人がパキ野郎と言われると

激怒するそうです。

劇中でもフレディは

パキ野郎の発言に対して

キレていましたね。

フレディの置かれたマイノリティーの状況


https://front-row.jp/_ct/17229266

冒頭の「働けパキ野郎」シーンは

フレディの置かれているマイノリティーの状況が

端的にわかる描写でした。

世界的大スターとなったフレディが

セクシャルマイノリティであったことは

有名な話です。

さらに人種マイノリティでもあることも

冒頭で明かされたのでした。

ゾロアスター教徒の両親を持つ


http://enmi19.seesaa.net/article/481937013.html

フレディが人種マイノリティであることは

フレディとメアリーの両親を交えたパーティーの席で

さらに詳しく語られています。

・両親はインド生まれでルーツはイラン
・フレディが生まれたのはザンジバル(当時のイギリス保護国・現在のタンザニア)
・一家はパールシーン(ゾロアスター教徒)
・一家はムスリム(イスラム教徒)に迫害されイギリスに移住してきた

このような話を両親から聞いた

メアリーやバンドのメンバーは

ザンジバル生まれなんて聞いてない

ロンドン生まれだと思ってた

と驚きます。

フレディのルーツを語り続ける母親に対し、

わざとピアノを弾いて

話を遮ろうとするフレディ。

マイノリティである自分に

負い目を感じていることが伝わってきました。

イギリスへ移住した理由


http://enmi19.seesaa.net/article/481937013.html

フレディの父は

なぜイギリスへ移住ですか?

という質問に対し、

移住じゃない
身一つで追い出された

と話していました。

植民地時代のインドを統治したイギリスは、
多数民族ではなく、少数民族のパールシー(ゾロアスター教徒)に
支配権を与えていました。(その目的は不明)

しかし1964年にザンジバル革命が勃発し

少数民族への虐殺が横行したという歴史があります。

一家がイギリスへやってきたのは

このザンジバル革命の時です。

この時フレディは17歳でした。

これまでの人生において、

人種マイノリティとして色々な苦労をしてきたことが

伺えるシーンでした。

「パキ野郎」が意味することをまとめると、

・パキスタン系やインド系への差別用語
・インド系のフレディに対する侮辱の言葉でもあった
・フレディが人種マイノリティであることを端的に描く言葉だった

このようなことが言えるでしょう。

ボヘミアンラプソディでポールも「パキ野郎」発言をしていた

フレディを侮辱した元恋人ポール


https://ameblo.jp/minako2014/entry-12452083777.html

フレディが「パキ」と侮辱されたのは

冒頭の空港シーンだけではありません。

ポール・プレンターも

「パキ」発言をしています。

フレディのマネージャーであり恋人だったポール。

しかしフレディの金と権力にしか興味がない

最低男でした。

本性を知ったフレディがクビのすると、

すぐさまテレビ局にフレディの私生活を

暴露するというクズ行動に出ます。

そのテレビ放送の中で、

フレディはどんな人だった?

と聞かれたポールは

孤独なパキスタンの少年だった

と答えています。

字幕では「パキスタンの少年」となっていますが

実際には「Paki boy」(パキ少年)と言っているので、

冒頭の「パキ野郎」に近いニュアンスでしょう。

パキ発言を聞いたフレディの心境


https://filmaga.filmarks.com/articles/109623/2/

ポールの暴露放送を見ていたフレディは

すぐにクイーンのマネージャーのマイアミに電話をかけます。

クイーンこそが信頼できる家族だと悟ったフレディは

もう一度バンドに戻れるように懇願します。

そしてテレビに映るポールの姿を

静かに見つめるのでした。

この時にフレディはどんな想いだったのでしょうか。

移民差別から逃れられない


https://www.vogue.co.jp/celebrity/deep-talk/2018-11-12

クイーンのボーカルとして

世界的大スターになったフレディ。

しかしどんなに成功しても、

移民としての差別から逃れられることはない

という現実を突きつけられて

悲しさと悔しさが

込み上げたのではないでしょうか。

ポールへの落胆


https://ameblo.jp/minako2014/entry-12452083777.html

はじめからフレディを利用しようと

近付いてきたポールですが、

フレディ本人はポールを信頼しきっていました。

しかし「パキ少年」発言を聞いて、

インド系であることも理解していなかったことを知り、

何も自分のころを理解していなかったポールの本性に

改めて気付かされたのではないでしょうか。

親友で恋人だと思っていた男は、

かつて空港で「パキ野郎」呼ばわりした男と同じ

という伏線回収になっているのだと思います。


https://www.vogue.co.jp/celebrity/deep-talk/2018-11-12

そして、

本当の自分を理解している仲間=クイーンのメンバー

のもとへ戻ろうという決心を強めたのでしょう。

ポールのパキ発言の場面は、

何とかバンドメンバーと一緒に復活したい

と懇願するシーンに繋がる大事なシーンでもありますね。

まとめ

今回は

「ボヘミアンラプソディ」のパキ野郎

というセリフについて深掘りしてきました。

パキスタン系やインド系への差別用語であり、

人種マイノリティのフレディの苦悩を

象徴する言葉であることがわかりました。

このような内容が理解できると、

映画をさらに深く味わうとができますね。

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