クイーンの名曲ボヘミアンラプソディは
多様な歌詞解釈ができるところが魅力のひとつです。
今回はネット上に溢れている諸説を参考に
「殺されたのは誰なのか」
「死んだのは誰なのか」
について深掘りしたいと思います。
「ボヘミアンラプソディ」曲の意味:殺されたのは・死んだのは誰?
殺されたのはフレディ・マーキュリー自身
「ボヘミアンラプソディ」の衝撃的な歌詞は
ママ 人を殺してしまった
Mama, just killed a man
の部分でしょう。
この解釈として有力なのは、
殺された人=フレディ・マーキュリー
死んだ人=フレディ・マーキュリー
というもの。
つまりフレディが自分自身を殺したことを
ママに報告している歌詞という解釈です。
本当にフレディが死んだのではない
映画「ボヘミアンラプソディ」では、
この楽曲が演奏されたライブ“ライブエイド”で
エンディングを迎え、
「フレディ・マーキュリー 1991年11月24日に死去」
という字幕が流れます。
そのため、この楽曲は
迫りくる死を覚悟した歌詞なのでは?
と思った方もいたようです。
しかしこの楽曲が発表されたのは1975年。
フレディがHIV感染を認識していたのは
1987年4月の後半と言われているため、
「本当の死」を意識した歌詞ではないでしょう。
死んだのは異性愛者のフレディ
フレディは同性愛者で知られ、
1991年11月に後天性免疫不全症候群(AIDS)で
他界しています。
この楽曲が発表されたのは1975年。
フレディが同性愛者であることを
自覚し始めたのは1970~1975年頃とされています。
そこで考えられるのが、
殺された人・死んだ人=異性愛者のフレディ
殺した人=同性愛者のフレディ
ということです。
母親への謝罪の気持ち
ママ、泣いてほしくはないんだ
明日俺が帰ってこなくても
Mama, ooh
Didn’t mean to make you cry
If I’m not back again
という歌詞があります。
この歌詞の「俺」は「異性愛者の俺」。
異性愛者の息子ではなく
同性愛者の息子になっても
失望しないでほしい
という意味と考えられるでしょう。
また、フレディの両親は
インド出身のゾロアスター教徒です。
非常に厳格な宗教であり、
同性愛者は「悪魔」とみなされるといいます。
そのためフレディは
自分がゲイであることは、
自分が死んだことのように母親を苦しめてしまう
とわかっていたのかもしれません。
同性愛者として生きる決意表明
さよならみんな
僕は行かなきゃ
Goodbye, everybody
I’ve got to go
という歌詞は
異性愛者である自分と決別し、
同性愛者として生きていくことの
決意表明と考えられるでしょう。
迷いの気持ちもある
ママ、死にたくないよ
Mama, ooh
I don’t wanna die
という歌詞からは
死にたくない=異性愛者として生き続けたかった
という迷いや苦悩が感じられます。
同時に、
これ以上自分を偽っていたら死んでしまう
そんなふうに死にたくない
という想いも込められているのかもしれません。
「ボヘミアンラプソディ」歌詞は本当にカミングアウトなのか?
フレディは歌詞の意味を頑なに明かさなかった
様々なメディアが、
「ボヘミアンラプソディ」の意味深な歌詞について
フレディに説明を求めました。
しかしフレディもクイーンのメンバーも
頑なに歌詞の意味は明かさなかったそうです。
ティム・ライスが真相を明かした?
「ボヘミアンラプソディ」の歌詞解釈については
フレディが亡くなった後も
世界中で論争が続いていました。
しかし、ついにある人物によって
カミングアウト説が有力であることが判明します。
その人物とは
「アラジン」「ライオンキング」などを手掛けた
ミュージカル界の超大物のティム・ライス。
2015年10月24日付英紙デーリー・メールによると、
・この楽曲はフレディがこれからの人生を同性愛者として生きようと決めた決意表明の楽曲である
・歌詞の「ママ、人を殺してしまった」は自分のイメージを自分自身で殺したという意味
・これらの解釈は、ドラムのロジャー・テイラーと話して確信した
このようなことを語ったというのです。
もちろんこの解釈は、
フレディ本人が語ったことではないので、
本当の解釈ではない可能性もあります。
しかしティム・ライスの発言により、
長らく続いた「ボヘミアンラプソディ」の解釈論争に
終止符が打たれたとされています。
まとめ
今回は、
クイーンの「ボヘミアンラプソディ」の歌詞について
殺された人は誰なのか諸説まとめてみました。
殺したのも死んだもの異性愛者のフレディ本人。
これは「同性愛者として生きていく」という
フレディの決意宣言の楽曲
という解釈が有力であることがわかりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。