黒柳徹子さんの著書のアニメ化映画「窓ぎわのトットちゃん」。
小学1年生で学校を退学となったトットちゃんが、
自由が丘にあるトモエ学園に入学するところから始まります。
トモエ学園で素晴らしい経験をしながら成長していくトットちゃん。
しかし最後は親友との別れ、
空襲によるトモエ学園焼失や疎開など、
悲しい結末で終わっています。
この記事では映画「窓ぎわのトットちゃん」の結末
さらに続編での結末についてまとめたいと思います。
ネタバレを含みますので本編ご鑑賞後に本記事をご覧ください。
窓ぎわのトットちゃんの最後は?
泰明ちゃんが亡くなる
トットちゃんがトモエ学園で出会い、
親友同士になった泰明ちゃん。
小児麻痺を患い、
左の足と手が麻痺しているため、
他の子と同じように体を動かすことができず、
何事にも消極的な男の子でした。
しかしトットちゃんは、
泰明ちゃんを助けながら一緒に色々な事に挑戦していきます。
二人は強い絆で結ばれていくのでした。
ところが大好きな泰明ちゃんとの別れは突然やってきます。
春休みが終わり学校が始まった時、
急に小林先生が教室にやって、
山本泰明君が死んだ。残念だ。
先生も悲しい気持ちでいっぱいだ。
と言って涙を流します。
トットちゃんは春休み中に泰明ちゃんから
「アンクルトム」の本を借りたばかりでした。
泰明ちゃんのお葬式
トモエ学園の先生たちと生徒たちは、
泰明ちゃんのお葬式に行きます。
トットちゃんは泰明ちゃんの遺体に顔を近づけて、
アンクルトム、返せないね。
大人になったらどこかで会えるんでしょ。
その時は足が治っていると良いね。
と声をかけます。
その後トットちゃんの前に
泰明ちゃんが現れ、
トットちゃん。いろんな事、楽しかったね。
君のこと、忘れないよ。
と優しく微笑むと、
トットちゃんも
私も忘れない
と言うのでした。
トットちゃんと出会えた泰明ちゃん
泰明ちゃんの死因は語られていませんが、
おそらく小児麻痺が関係していたのでしょう。
短い生涯を終えてしまった泰明ちゃん。
病気を患いながらの辛い人生だったのでしょう。
しかしトットちゃんと出会えたことで彼の人生は輝き、
幸せな日々を生き抜くことができたのだと思います。
トットちゃんが夏祭りで買ったヒヨコが
すぐに死んでしまうエピソードがあります。
泰明ちゃんは泣いて悲しむトットちゃんに、
ヒヨコは幸せだと思う。
トットちゃんに会えたから。
と優しく言いました。
泰明ちゃんもきっと同じ気持ちで
天国に旅立ったのだったのでしょう。
トモエ学園が空襲に遭う
トットちゃんがトモエ学園に入学したのは、
第二次世界大戦前の1940年です。
映画では、
楽しいトットちゃんの日常に、
徐々に暗雲が立ち込める様子が描かれます。
東京の自由が丘にあるトモエ学園の生徒たちも田舎に疎開し始めます。
生徒たちがいなくなったトモエ学園。
東京大空襲の日にB29の飛行機からいくつもの焼夷弾が落とされ、
校舎は炎に包まれてしまいます。
焼け落ちるトモエ学園を見ながら、
小林校長先生は
今度はどんな学校を作ろうか
と言います。
そこで、
先生の学校柄の愛情は、燃える炎より熱かった
という黒柳徹子さんのナレーションが入るのでした。
その後小学校は再建されなかった
小林校長先生は小林宗作さんという実在の人物です。
トモエ学園が焼失した後、
実際に小林先生は幼稚園を再建しています。
しかし小学校がその後再建されることはありませんでした。
幼稚園も1963年に小林先生が亡くなったことで、
廃園となっています。
トットちゃん青森に疎開する
トモエ学園が空襲に遭っていた頃、
トットちゃん一家は青森に疎開するため列車に乗っていました。
トットちゃんには弟が生まれていたのですが、
まだ赤ちゃんの弟は電車の中で泣き叫んでしまいます。
長旅で疲れ果てているママの代わりに、
トットちゃんは弟を抱いてデッキに向かいます。
なかなか泣き止まない弟を優しくあやすトットちゃん。
すると電車の外にチンドン屋がリンゴ園を歩く姿を見つけます。
その明るい音を聞いてスヤスヤ眠る弟。
トットちゃんは弟に、
いい子ね。あなたは本当にいい子。
と言うのでした。
トモエ学園の精神を受け継いだトットちゃん
トモエ学園に入る前、
トットちゃんは問題児として退学になっています。
小林先生とはじめに面談した時に、
トットちゃんは
どうして、みんな私の事を困った子と言うの?
と聞くと、
小林先生は
君は、本当はいい子なんだよ
と言ってくれました。
トットちゃん=黒柳徹子さんは
この言葉にとても救われたといいます。
そして映画の最後では、
トットちゃんは自分が言われたように、
弟に「本当にいい子」と言います。
トモエ学園は空襲で焼け落ち、
再建されることはありませんでした。
しかしトモエ学園の精神は、
ちゃんとトットちゃんに受け継がれていました。
泰明ちゃんの死や戦争など、
辛い出来事が一気に押し寄せるラストの中で、
このトットちゃんの言葉は
希望の光として際立っていました。
窓ぎわのトットちゃんの続編での結末は?
トットちゃんが女優になるまでを描く
2023年10月3日発売された「続 窓ぎわのトットちゃん」は、
「窓ぎわのトットちゃん」のラストより
少し前のところから話が始まります。
- 夜行列車に乗り青森の疎開先に向かう
- 疎開先の青森での生活
- 戦後東京に戻り音楽学校を卒業する
- NHKの専属女優第1号になる
- ニューヨークに留学する
このような話が展開します。
大人になったトットちゃんは、
初のNHKの専属女優としてテレビ草創期を経験します。
しかしその後、
日本の芸能界から一旦離れてニューヨークへ行く決心をします。
「続 窓ぎわのトットちゃん」では、
この部分までが描かれています。
42年ぶりに続編を書いた理由
国民的ベストセラーとなった「窓ぎわのトットちゃん」。
続編を期待する声は当時からありましたが、
黒柳徹子さんは、
「窓ぎわのトットちゃん」よりおもしろいものは書けない。
私の人生でトモエ学園時代ほど楽しいことはなかったから。
と思い、続編を書くことはありませんでした。
しかし40年以上の月日が経ち、
私のようなものの「それから」を知りたいと思ってくださる方が多いのなら、
書いてみようかな
とだんだん思うようになったといいます。
ウクライナ問題がきっかけだった
2022年2月24日、
ロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始して以来続くウクライナ問題も、
続編を書くきっかけになったそうです。
黒柳さんは、
ウクライナの子どもたちはどうしているだろうと思った時
戦争のときの自分を思い出しました。
自由ではない、何をやってもいけないということが、
子どもにとって一番嫌なことだったと思います。
当時を思い出すのも嫌でしたが、
そのことを考えて続編を書こうと思いました。
と語っています。
「窓ぎわのトットちゃん」も「続 窓ぎわのトットちゃん」も、
一貫して反戦と平和へのメッセージが散りばめられています。
続編へと背中を押したものは、
黒柳さんの平和への願いだったのですね。
まとめ
今回は、
映画「窓ぎわのトットちゃん」と、
続編「続 窓ぎわのトットちゃん」の結末をまとめてきました。
映画のラストは泰明ちゃんの死や空襲に疎開と、
暗い出来事ばかりが描かれますが、
その中でトットちゃんが
トモエ学園の精神を受け継いだラストシーンは
一筋の希望の光となっていました。
続編ではそんなトットちゃんが大人になり、
女優になりニューヨークに留学するまでが描かれます。
映画の続きを知りたい方は、
続編を読んでみてはいかがでしょうか。