黒柳徹子さんの著書を映画化した「窓ぎわのトットちゃん」が、
2023年12月8日に公開され話題になっています。
ネット上にはさっそく様々な考察が書き込まれていますので、
化粧描写の理由や歌詞の意味など、
気になる考察をまとめてみたいと思います。
ネタバレを含みますので、本編ご鑑賞後に本記事をご覧ください。
窓ぎわのトットちゃんの考察まとめ!
1つ目:キャラの化粧描写の理由は?
本作に登場するキャラクターに対して、
口紅やチークなどの化粧をしているように見える
という意見が多く上がっていました。
主人公のトットちゃんなど女の子だけではなく、
男の子やパパなども化粧顔なので、
どうしてみんな化粧をしているんだろう
と疑問に思った方は多かったようです。
トットちゃん目線だから
化粧描写の理由の一つとして、
トットちゃんの目線で描かれているから
という意見がありました。
この映画の原作は黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」です。
トットちゃん=黒柳徹子さんの目線で描かれた作品であり、
映画もトットちゃん目線で物語が展開します。
トットちゃんはとても想像力が豊かな女の子なので、
自分の顔もみんなの顔も、
お化粧をしているような素敵な顔に見えていたのかもしれませんね。
そのほかにも、
・黒柳徹子さんへのオマージュだから
・原作のいわさきちひろの絵もお化粧をしているような顔だったから
・血の気の多い元気な顔に見せるため
などの説も見られました。
本作の化粧顔については、
化粧顔が苦手だった
キラキラしたトットちゃんの顔が素敵だった
など賛否両論のようです。
2つ目:あいみょん歌詞の意味は?
映画「窓ぎわのトットちゃん」の主題歌は、
あいみょんが歌う「あのね」です。
本編後に流れたこの曲に涙したという感想が
ネット上で多く見られました。
しかしとても美しい誌的な歌詞なのですが、
意味がわかりにくかった方もいたようです。
トットちゃんと泰明ちゃんの関係性を描いた歌
この映画のために「あのね」を書き下ろしたあいみょんは、
トットちゃんと泰明ちゃんの関係性を見ながら、
この楽曲を作ったといいます。
泰明ちゃんはトモエ学園でトットちゃんが出会った男の子。
小児麻痺を患っており、
他の生徒と同じように体を動かすことができません。
そのため泰明ちゃんは何事にも消極的。
トットちゃんはそんな泰明ちゃんに対し、
持前の明るさで色々なことに一緒に挑戦しようとします。
木登りやプールなど、
今まで諦めていたことができるようになっていく泰明ちゃん。
トットちゃんと敏明ちゃんは強い絆で結ばれていくのでした。
しかし別れは突然やってきてしまいます。
小児麻痺の泰明ちゃんは亡くなってしまったのです。
「君のこと、忘れないよ。」とほほ笑む泰明ちゃんに、
トットちゃんは涙をこらえて「私も、忘れない」と言うのでした。
印象的な歌詞は?
そんなふたりの関係性を描いたという「あのね」。
印象的な歌詞をいくつかピックアップしてみました。
手を振るだけで消えてしまうようで
トットちゃんは小児麻痺を患い、
手足が思うように使えない泰明ちゃんに対し、
無理やり木に登らせてみたり、
プールに入れてみたり
普通の子と同じように接していました。
しかしどこかで「消えてしまいそうな存在」
ということがわかっていたのでしょう。
寝癖がある君の方が なんだか生きているって感じる
「寝癖」とは泰明ちゃんの障害を意味しているように思います。
トットちゃんは寝癖のように泰明ちゃんの障害を
受け入れていたのでしょう。
潰れそうな 何かがあるなら 後ろから抱きしめる
感受性が豊かなトットちゃんは、
泰明ちゃんの悲しみや葛藤に、敏感に気付いていました。
「潰れそうな何か」を感じ取っていたのでしょう。
何をすれば良いかはわからないけれど、
とりあえず後ろから抱きしめてあげる!
というトットちゃんの健気さが感じられます。
あの水溜まりを越えられたら きっとこれからは会えるんだ
死により引き裂かれてしまったトットちゃんと泰明ちゃんですが、
この曲では「きっとまた会える」という希望を歌い、
トットちゃんと泰明ちゃんに寄り添う優しさを見せています。
あいみょんの美しい歌声で歌われると、
より感動的に聞こえます。
3つ目:トモエ学園は貧乏じゃ無理?
映画「窓ぎわのトットちゃん」の舞台となっているトモエ学園は、
子どもの個性を信じて伸ばそうとする素晴らしい学校です。
戦前にこんな学校があったとは
こんな学校に通いたかった
などの声がネット上に溢れています。
しかしこのトモエ学園は、
ある程度裕福な家でないと、
通うのは難しかったと言われています。
映画の内容を見ると、
どんなに通わせたいと思っても、
貧乏な家では無理だったことがうかがえます。
トットちゃんはお金持ちだった
主人公のトットちゃんは、
公立の小学校で「問題児」とされ退学となったため、
私立であるトモエ学園に転入してきました。
おそらく財力のある家庭だったから、
トモエ学園に入ることができたのでしょう。
・父親はでヴァイオリン奏者
・いつも高級リボンをつけている
・ハイカラな服を何着も持っている
・大型犬を飼っている
・キャラメルを自販機で買う
・小学校に電車通学をする
・豪華なお弁当を持参する
・好きなおもちゃを買ってもらえる
・朝食がとても豪華
本作で描かれる戦前の日本は超格差社会であり、
その貧困が戦争を引き起こした要因のひとつとされています。
トットちゃん状況を見ると、
大金持ちというわけではなくても、
裕福な家庭であったことは間違いありません。
4つ目:トットちゃんは発達障害?
公立の小学校で「問題児」とされてしまったトットちゃん。
多動気味な行動など発達障害の特徴に当てはまるものが
多く見られました。
・思いついたことを脈絡なく話し続ける
(校長先生との面談)
・道路に飛び出す
(ママと歩いている時)
・気になったことは最後までやらないと気が済まない
(トイレに落とした財布を探す)
(ヒヨコを買ってもらえるまで頑張る)
・途中で興味が変わる
(倉庫にハシゴを取りにいったのにホウキで遊んでしまう)
このように映画の中には、
発達障害を思わせる描写がたくさん散りばめられていました。
黒柳徹子は発達障害を告白している
本作は黒柳徹子さんの著書が原作の映画です。
トットちゃんは黒柳徹子さんご本人。
そして黒柳さんは、著書「小さいときから考えてきたこと」で
自分が発達障害であることを告白しています。
実際に映画を観ていると、
トットちゃんの行動はハラハラする部分が多いです。
トットちゃん自身、
自分はどこか他の子と違う
ということに気付きかけています。
しかし小林先生やトットちゃんの両親は
それをトットちゃんに悟らせないように、
「普通の子」として接しているところが素晴らしいです。
それどころか、
発達障害と思われる行動を褒めて、
そこがトットちゃんの良いところなんだよ
と諭してあげています。
黒柳徹子さんが唯一無二の個性を発揮し、
日本の芸能界に欠かせない存在になった理由は、
トットちゃん時代の大人たちの接し方にあったのでしょうね。
5つ目:キャラ名より声優名が大きい理由は?
最近のアニメ映画では、
キャラクター名よりも声優名を大きく表記する傾向にあります。
映画「窓ぎわのトットちゃん」でも、
「ママ(声の出演:杏)」
ではなく、
「杏(ママ)」
のような表記になっているため、
モヤモヤした方もいたようです。
キャラクターと声優を同一視する傾向にあるから
劇場版「鬼滅の刃 無限列車編」の記録的大ヒットにより、
声優ブームが起き、現在も声優人気が続いています。
そのため声優は裏方の存在ではなく、
キャラクターと声優を同一視する傾向にあります。
アニメ映画における声優の存在が大きくなったため、
キャラクター名よりも大きく表記されるようになったようです。
豪華声優陣だから
映画「窓ぎわのトットちゃん」の声優陣は、
・役所広司
・杏
・小栗旬
・滝沢カレン
と非常に豪華です。
映画を宣伝する側としては、
当然この豪華声優陣を全面に出してPRしたいでしょう。
しかも本作は、
役所広司の小林先生をはじめ、
キャラクターと声優を担当している俳優のイメージが
とても上手くマッチしています。
役所広司さんをイメージしながら小林先生を見ると、
より一層小林先生が素敵に見えてきます。
このような理由もあり、
声優名が大きくなっているのでしょう。
まとめ
今回は映画「窓ぎわのトットちゃん」の気になる部分を、
ネットの考察を参考にまとめてきました。
化粧描写の意味や、主題歌の意味、
発達障害の描写など、
様々な説を知った上で本編を観ると、
より味わい深いものになりますね。