映画「窓ぎわのトットちゃん」の主題歌である
あいみょんの「あのね」。
映画のためにあいみょんが書き下ろした楽曲です。
トットちゃんと泰明ちゃんの関係をみながら、
その関係性をリスペクトしてこの楽曲を作ったそうです。
トットちゃんの行動に紐づいた深い歌詞となっています。
この記事では、
「あのね」の歌詞を考察していきたいと思います。
あいみょん「あのね」の歌詞考察
歌詞考察①泰明ちゃんとトットちゃんの儚さ

https://x.com/aimyonGtter/status/1732247122878345690?s=20
さよなら
その口癖は
誰譲りなの会うたびに
寂しく なるのよ少し
手を振るだけで消えてしまうようで
私が描きすぎてる
明るい明日に 君も いる
ガラスの鳥の背中に またがる私
笑う君と天使
会うたびに寂しくなるのよ
手を振るだけで消えてしまうようで
という歌詞は、
トットちゃんが感じ取っていた泰明ちゃんの儚さが感じられます。

https://hitocinema.mainichi.jp/films-info/tottochan/photo/8
小児麻痺を患っていた泰明ちゃん。
他の子のように体を動かすことができず、
ふとした瞬間に悲しい表情を見せる男の子でした。
小児麻痺についてよくわかっていないトットちゃんは、
そんなのお構いなしで明るく接しているように見えました。
しかし感受性の豊かなトットちゃんは、
泰明ちゃんの儚さを感じとっていたのでしょう。
だから会うたび寂しさを感じていたのかもしれませんね。
笑う君と天使
という歌詞からは、
いつか天使と天国にいってしまいそう
という気持ちも感じ取れます。
トットちゃんも儚く繊細な存在

https://www.fashion-press.net/movies/gallery/24709/35948
ガラスの鳥の背中に またがる私
この歌詞からは、
鳥の背中にまたがり自由に飛び回っている
トットちゃんが連想されます。
しかしその鳥はガラスでできて儚く繊細なものなのでしょう。
いつも元気いっぱいのトットちゃんですが、
小林先生に
どうして、みんな私の事を困った子と言うの?
と聞くなど、
自分がどこかみんなと違うことを悟っていたことがわかります。
そんなトットちゃんの儚さが表現された歌詞ではないでしょうか。
歌詞考察②ありのままが素晴らしい

昨日にはなかったもの
みせてあげたい会いたい
寝癖がある君の方が
なんだか生きているって感じる
まだ幼い顔つきで怒る
その口の形も愛おしい
昨日にはなかったもの
みせてあげたい会いたい
この歌詞は、
小児麻痺のせいで消極的になっている泰明ちゃんに、
木登りやプールなど、
新しい楽しさを見せてあげたいという
トットちゃんの気持ちが感じられます。
寝癖がある君の方が
なんだか生きているって感じる
この歌詞は、
寝癖のようにちょっとおかしなところがあっても、
むしろそのほうが生き生きして素晴らしい
ということではないでしょうか。
泰明ちゃんの「小児麻痺」を、
トットちゃんなりに表現すると、
「寝癖」になったのかもしれませんね。
まだ幼い顔つきで怒る
この歌詞は、
トットちゃんがわざと腕相撲で負けた時に、
本気で怒った時の泰明ちゃんの姿が連想されます。
歌詞考察③トットちゃんの切ない気持ち

https://www.fashion-press.net/news/106231
孤独を移す影や歩幅
スピード取り戻してあげたい
潰れそうな 何かがあるなら
後ろから抱きしめる
許されるまで強く
- 歩幅
- スピード
などの歌詞から、
他の子と同じように歩けない泰明ちゃんが連想されます。
潰れそうな 何かがあるなら
後ろから抱きしめる
この歌詞はトットちゃんの
泰明ちゃんへの気持ちだと解釈できます。
感受性が豊かなトットちゃんは、
泰明ちゃんの悲しみや葛藤に敏感に気付いていました。
「潰れそうな何か」を感じ取っていたのでしょう。
何をすれば良いかはわからないけれど
とりあえず後ろから抱きしめてあげる!
というトットちゃんの健気さが感じられます。
歌詞考察④悲しみと希望

https://www.fashion-press.net/news/106231
ありがとう
そのセリフには
不安もよぎる 不思議だね
素敵な言葉なんだと
教わったはずなのに 消えて しまいそうで
あの水溜まりを越えられたら
きっとこれからは会えるんだ
この歌詞は、
泰明ちゃんの死を告げられたトットちゃんが、
水たまりの中に転んで泣くシーンを思い出させます。
泰明ちゃんを失ったトットちゃんは
「ありがとう」という素敵な言葉さえ不安になってしまう
深い悲しみの中にいるのでしょう。
しかしその悲しみ(水たまり)を乗り越えることができれば、
きっとこれからは心の中で泰明ちゃんに会える
ということではないでしょうか。
歌詞考察⑤抜け出せない悲しみ

https://www.fashion-press.net/news/106231
許されない願い事が
あるとは 信じたくはないんだよ
つま先立つ沈まないように
それなのになぜだろう 君が遠い
伸びてく影が少しだけ 増えて
何か言おうとしていた
通り雨は君の涙さえ私に見せなかったの
おそらくこの部分の歌詞も、
泰明ちゃんが死んでしまった後の、
トットちゃんの気持ちではないでしょうか。
なかなか悲しみから抜け出せない様子が感じられます。
つま先立つ
この歌詞からは不安定な心理状況がうかがえます。
沈まないように
そんな不安定な状態で、
悲しみに飲み込まれて沈まないように
必死に耐えている様子が感じられます。
しかしそれでも「君は遠い」と感じています。
何か言おうとしていた
通り雨は君の涙さえ私に見せなかったの
この歌詞からは、
もっと泰明ちゃんのためにしてあげたかった
してあげるべきことがあったはず
というトットちゃんの優しい気持ちが伝わってきます。
歌詞考察⑥トットちゃんが泰明ちゃんに寄り添う気持ち

https://eiga.com/movie/99129/
漂う予感に惑わされてしまわないように
信じてる信じてる
君の言う矛盾に隠れているほんとの気持ちに
気づいている気づいているから
この部分の歌詞は、
トットちゃんが泰明ちゃんの寄り添おうとする
気持ちが感じられます。
- 色々なことに惑わされずに君のことだけを信じる
- 君の言葉の裏に隠されている気持ちさえもちゃんと気づいている
というトットちゃんの泰明ちゃんへの愛がうかがえます。
こんな親友を持てた泰明ちゃんは幸せですね。









まとめ
今回は、
映画「窓ぎわのトットちゃん」の主題歌である
あいみょんの「あのね」の歌詞を考察してきました。
トットちゃんと泰明ちゃんの儚さと強さが
美しい歌詞の中に描かれている
素敵な楽曲であることがわかりました。
本編を観た後に聴くと感動がこみ上げてくるでしょう。