スピルバーグ監督の自伝的作品「フェイブルマンズ」。
高く評価される一方で
つまらないという意見もあります。
今回はその理由を調べてみました。
記事は公式サイトを元に情報や画像を使わせていただいております。
「フェイブルマンズ」がつまらないと言われる5つ理由
1つ目:退屈な自伝映画
ただの自伝映画でつまらなかった
退屈で寝そうになってしまった
このような意見が見られました。
本作はスティーヴン・スピルバーグ監督の
自伝的な作品です。
主人公サミーは
スピルバーグをもとにしたキャラクターです。
そしてこの作品は、
スピルバーグが自ら映画化しています。
自伝作品は退屈になりがちではありますが、
スピルバーグ作品ということで、
エンターテインメント性があると
期待した方が多かったようです。
サミーの少年~青年期が淡々と描かれる
本作は、
主人公のサミーの
6歳から17歳までの約11年間が描かれる物語です。
映画の神様と言われることもある
巨匠スピルバーグ。
彼がいかにして偉大な映画監督になったのか
が描かれるのですが、
彼の少年~青年期は
それほどドラマティックな展開ではありませんでした。
・転校した先の高校で、リーダー的な同級生からイジメられる
・母親の浮気を知りショックを受ける
・親が離婚して家族がバラバラになる
このような出来事が物語の山場になりますが、
よくあるヒューマンドラマ
という感じです。
スピルバーグならではの感動ストーリー
を期待していた方は
退屈でつまらないと感じたでしょう。
2つ目:母ミッツィの行動が理解できない
サミーの母親の生き方があまり理解できなかった
自由奔放すぎるミッツィに引いてしまった
このような意見も見られました。
本作の主人公はサミーですが、
主人公と同じくらい重要な人物が
母ミッツィでした。
そのためミッツィのキャラクターに
嫌悪感を抱いてしまうと、
映画に入り込むことができず、
つまらないと思ってしまうでしょう。
自由奔放な女性
スピルバーグ監督は自分の母親のことを
ピーターパンみたいな人だった
とよく表現していたそうです。
スピルバーグの母親を反映させた
ミッツィは、
自由奔放な女性でした。
・竜巻を見るために幼い子供たちを連れて無謀なドライブをする
・下着が透けて見えると娘に指摘されても、気にせず踊り続ける
このような行動に、
嫌悪感を感じた方もいるでしょう。
夫の親友と浮気
ミッツィの一番の問題は
夫の親友ベニーと浮気したことでしょう。
しかも、
子ども達も一緒にいる場所で、
こっそりベニーと触れ合う姿は、
ちょっと理解に苦しむものでした。
そして結局ミッツィは
愛するベニーと一緒になるために
家族のもとを去ります。
このとき娘たちは、
必死で母ミッツィを引き留めました。
しかしそれを振り切ってまで、
自分の恋愛を優先したミッツィ。
そんな彼女の行動が
理解できない方は多かったでしょう。
3つ目:もっと映画作りを見たかった
映画作りのこだわりを見たかった
映画監督になる話だと思ったら家族の物語だった
このような意見を持つ方もいました。
本作はスピルバーグがいかにして
映画監督になったのか
を描いています。
しかし映画製作に関する物語だけではありません。
少年サミーと家族の物語、
友人や恋人との物語などが描かれます。
そのようなありふれた人間ドラマではなく、
映画撮影や映画編集など
スピルバーグ監督ならではの物語を
期待していた方は多かったでしょう。
すべて不可欠な物語だった
本作で言いたかったことは
母ミッツィのセリフにある
すべての出来事には意味がある
ということでしょう。
家族で行ったキャンプや
高校の学校行事など、
あまりドラマティックではない出来事ですが、
それがすべてサミー(スピルバーグ)が
偉大な監督になるためには
必要な要素だったのでしょう。
そのように考えると、
ただ映画撮影や編集の過程を見るよりも、
感慨深いものがあります。
スピルバーグが監督になる
きっかけとなった場面に
立ち会えた気持ちになりますね。
4つ目:映画の怖さを描いているから
映画の怖さが伝わってきた
映画の残酷さを感じてゾッとした
ネット上にはこのような意見が見られました。
これもつまらないと言われる原因の
一つでしょう。
本作は映画監督スピルバーグの
少年~青年期をもとにしているため、
当然「映画が素晴らしい!」
が描かれると思ったでしょう。
もちろん映画の素晴らしさも
語られているのですが、
それだけではありません。
同時に映画の怖さも描いているため、
これが面白くないと
感じた方はいたでしょう。
兵士役のエピソード
若干13歳で戦争映画を撮ったサミー。
その撮影場所で
一人の兵士役の少年に演技指導をします。
死んだ兵士たちを見て
自責の念を抱く演技をするように指示すると
兵士役の少年は見事な演技を見せます。
しかし「カット!」の声がかかっても
役になりきったまま
どこかへ立ち去ってしまいました。
役に入り込み過ぎて抜け出せなくなる俳優
映画の影響力の強さを感じる
エピソードでした。
ローガンとチャドのエピソード
高校時代のサミーは
ローガンとチャドという
同級生にいじめられていました。
学校行事の撮影を頼まれたサミーは
・ローガンはかっこよく主人公のように描く
・チャドは間抜けキャラに描く
このような編集を加えて上映。
上映後、
ローガンは拍手喝采を受け、
チャドはみんなに馬鹿にされます。
映画とは偽りを描くことができる
映画の影響力は大きい
このようなゾッとする描写があったため、
あまり楽しめない内容だったかもしれません。
5つ目:結末がわかるから面白くない
知っている内容だからつまらなかった
ラストがわかるからハラハラしなかった
このような意見も見られました。
自伝映画でも、
有名ではない人物の場合は
結末がわからない状態で
観ることになるでしょう。
しかし本作の主人公は
スピルバーグです。
誰もが主人公の少年が
偉大な映画監督になることはわかっています。
そのため、
つまらないと感じた方もいたようです。
「フェイブルマンズ」は面白いという意見も多い
映画の二面性が描かれていた
本作では、
映画の素晴らしさと同時に
怖ろしさも描かれています。
この二面性が面白いという意見も見られました。
キャンプ旅行の2つの映像
サミー家族と父の親友バートが
キャンプ旅行へ行ったシーン。
その様子をカメラにおさめていたサミーは
後から編集をするのですが、
映像の中に
母とバートが浮気している姿を
発見してしまいます。
サミーは家族のために、
母とバートのシーンはカットして
幸せな家族シーンだけを編集した
幸せ家族映像を作って上映しました
浮気の映像を母に見せる
サミーは、
母とバートが仲良く寄り添う様子だけをまとめた
映像も作っていました。
そしてそれを母に見せて
浮気について問い詰めました。
同じキャンプ場の映像でも、
2つの全く違う映画になってしまったのです。
この映画の二面性が
とても興味深かったですね。
ミシェルの演技が良かった
サミーの母ミッツィを演じたのは、
ミシェル・ウィリアムズです。
彼女の演技が素晴らしかった
と絶賛する声も多く見られました。
本作の主人公はサミーですが、
ミシェル演じるミッツィが
主人公とも言えるでしょう。
それほど重要な人物でした。
自分勝手なところがありますが、
同時に家族を大事する気持ちも
誰よりも大きい。
だからこそバートと家族の間で
迷い、苦しみます。
そんな複雑な女性を演じった
ミシェルの体当たりの演技は
本当に素晴らしいものでした。
ラストが素晴らしかった
ラストのワンカットが素晴らしい
希望に満ちたラストが良かった
このようにラストが素晴らしいかった
という意見が多く見られました。
監督としてのチャンスを掴んだサミーは
ラストで巨匠ジョン・フォード監督に
会うチャンスを得ます。
そして彼から
地平線が上もしくは下にある映像は素晴らしい
地平線が中央にあるのはつまらない
という極意を伝授されます。
監督のオフィスを出たサミーは
嬉しそうに遠くへと歩いていくのですが、
この映像の地平線は中央。
すると次の瞬間
カメラは上のほうを写し、
地平線がきちんと下になる映像で
映画は幕を閉じます。
なんとも粋なラストカットでした。
まとめ
今回は「フェイブルマンズ」が
つまらないと言われる理由を
調べてみました。
非常に期待が大きかったため、
やや物足りなさを感じる声もありましたが、
ほとんどの感想が高評価であることもわかりました。
映画ファン必見の素晴らしい映画でした。