Netflixで話題の「ハートオブストーン」。
二転三転する複雑なストーリーや、
「ハート」「チャーター」など、
わかりにくい部分もありました。
今回は本作のわかりにくい部分を考察したいと思います。
ネタバレを含みますので、本編ご鑑賞後に本記事をご覧ください。
「ハートオブストーン」考察7つ
1つ目:チャーターは平和維持組織
はじめはMI6の諜報員として登場したストーン。
実は「チャーター」の凄腕エージェントであり、
MI6に潜入していたことがわかります。
このチャーターという組織は、
本作を理解する上で重要な存在です。
極秘の平和維持組織
チャーターは、
平和維持を組織した極秘の組織です。
多国籍組織で、
国境を越えて活動しています。
ストーンがMI6のチームに潜入したのは、
彼らを邪魔をするわけではありません。
MI6のマルバニーの捕獲作戦をサポートし、
彼の企みを聞き出すことが目的でした。
MI6が任務を成功させられるように、
陰からサポートするのが、
チャーターのエージェントの役割ということですね。
エージェントは超凄腕
チャーターの役割は、
政府組織をサポートしたり、
ミスを補うこと。
そのためチャーターのエージェントは凄腕揃い。
ストーンの活躍だけを見ても、
・一人で何人もの敵を倒す
・パラシュートを巧みに扱う
・バイクや車の運転テクニックが超人的
・機転が利く
このような凄腕ぶりが伺えました。
2つ目:ハートとは人工知能
極秘の平和維持組織チャーターの心臓と言えるのが、
ハートという最強の人工知能です。
これも本作を楽しむためには、
きちんと理解しておくべきポイントと言えますね。
世界中の情報をハッキングできる
ハートは、
全世界の情報をハッキングできる
最強の人工知能です。
・携帯電話
・銀行
・軍
・送電網
・医療記録
このようにあらゆる情報に
アクセスすることが可能です。
・市場を混乱させる
・飛行機を墜落させる
・核兵器を制御する
このようなことができてしまう恐ろしいもの。
悪の手に渡ることは、
何と押しても阻止しなければならない
最強兵器と言えます。
予測機能がある
ハートの役割は、
ただ情報にアクセスするだけではありません。
数兆というデータを一度にアクセスし、
正確にモデリングできるため、
未来を予測することができるのです。
チャーターはその予測能力を使い、
エージェントを各国に派遣しています。
映画序盤でストーンが、
山頂から急斜面を下るシーンにて。
ジャックは本部でハートの予測機能を操作しながら、
功率の高い道を現場のストーンに伝え、
任務を遂行していました。
ちなみにハート本体は、
誰からも奪われることがないように、
上空2500メートルの飛行船の中にあります。
ハートはチャーターの唯一の基準
どの機関からも干渉を受けないチャーターは、
このハートの予測機能を唯一の基準として、
「より大勢を救うこと」を目的に
客観的に任務を遂行しています。
しかしこれにより、
大勢の命を救うために犠牲者を出してしまう
といった辛い決断を迫られたことも
多かったようです。
3つ目:トランプに基づいたコードネーム
本作では、
様々なシーンでトランプが登場します。
チャーターの部門名
チャーターは4つの部門が分かれており、
各部門のトップは「キング」と呼ばれています。
その部門は、
・ダイヤ
・クローバー
・クラブ
・ハート
このようにトランプの4種類のマークが
つけられています。
そのトップが「キング」というのも、
まさにトランプですね。
チャーターのエージェント名
チャーターの各部門のエージェントは、
「ハートの7」と手札のように呼ばれています。
ストーンは「ハートの9」。
エージェントは、
自分のコードネームの手札を
セキュリティカードとして使っています。
実際にトランプが登場する
映画冒頭で、
MI6のIT技術者に扮したストーンが、
ハッキングするために、
カジノに潜入するシーンがあります。
この時ストーンは、
トランプを使ったブラックジャックをしています。
また次のミッションで
リスボンに向かったMI6メンバーが
滞在していたホテルのシーンでも、
テーブルの上にトランプが置いてありました。
トランプを意識した演出が、
本作の面白さの一つと言えますね。
物語全体がトランプゲーム
物語全体がトランプゲームのような仕組みになっている
とも言えるでしょう。
ストーンとパーカーは、
それぞれ仲間と手を組んで、
戦いに挑んでいます。
その仲間はまるでトランプの手札のようです。
そして「ハート」を手に入れたものが、
世界を支配できるという構造も、
トランプゲームのようですね。
最終的にストーンは、
・ジャック
・ケヤ
という仲間を得ることができました。
これは手札が揃い新たなゲームに挑む
という感じにも見えますね。
4つ目:パーカーの正体と目的
本作の面白さは、
同じMI6の仲間だったストーンとパーカーが
それぞれ正体を隠していたことです。
しかし、
チャーターの凄腕エージェントだったストーンに比べて、
パーカーの正体と目的は、
少しわかりにくかったかもしれません。
チェチェンで抹消されたMI6エージェント
7年前のチェチェン反乱の時。
MI6はやりたい放題の司令官を倒すために、
反体制派に武器を届けようとしていました。
その任務を遂行するチームの一人がパーカーでした。
しかし武器を渡す場所に現れたのは、
反体制派の者たちではなく敵。
この罠を傍受したチャーターは、
このまま大量の武器が司令官側に奪われたら、
多くの人々が犠牲になるため、
武装ドローンで一帯を空爆することを決意。
罠にかかった時点で、
MI6は全員処刑されたと判断していました。
しかし実際にはMI6は全滅しておらず、
パーカーは背中に大火傷を負いながら、
生き延びていました。
チャーターへの復讐が目的
その後この件は隠ぺいされ、
パーカーたちチームの存在も抹消されていました。
しかし一人生き延びていたパーカーは、
チャーターという存在が、
自分たちが現場にいたにもかかわらず、
爆弾を落として見殺しにしたという事実を突き止めます。
そして彼らの悪事を暴き、
復讐しようと考えたのでしょう。
5つ目:ケヤの正体と目的
本作のキーパーソンであるケヤという女性。
彼女の正体と目的についても、
考えてみたいと思います。
親を亡くした天才ハッカー
インド西部のプネ出身のケヤ。
8歳で両親を亡くし孤児となります。
一方、裕福な投資家であり、
薬品関係の会社を所有するカーチェという人物が
恵まれない子のためにプネでIT講座を開いていました。
このプログラムでケアの才能を見抜いたカーチェは、
彼女を養子にして訓練します。
しかしその後二人は決別。
ケヤは天才ハッカーとなっていました。
ここまでが、
チャーターがハートを利用して得た情報です。
しかしこの話は事実とは少し異なりました。
カーチェに親を殺されていた
ケヤの両親が亡くなった理由は、
実はカーチェにありました。
カーチェの製薬会社の薬の人体実験のせいで、
両親は命を落としたのです。
カーチェはその事実を隠してケヤを養子にし、
彼女を救った気になっていました。
ケヤはいつか強くなり、
両親の仇を討つと決めていたのです。
ハートでカーチェの悪事を暴こうとした
おそらくケヤはパーカーと出会い、
ハートの存在を知ったのだと思います。
どんな情報にもアクセスできるハートが手に入れば、
カーチェの悪事を暴くこともできて、
親の仇が討てると考えたのでしょう。
仲間を殺されて復讐に燃えるパーカーと、
分かり合えるものがあったのかもしれませんね。
正義感の強い女性
悪事に手を染めることになったケヤですが、
もともとは正義感の強い女性なのでしょう。
パーカーと共にハートを手に入れたケヤは、
カーチェの人体実験の記録を
世界中に晒すことに成功します。
しかしパーカーの目的は別にありました。
ハートを使って世界を支配しようとしたのです。
これを知ったケヤは、
敵だったストーンに連絡しパーカーの企みを伝えます。
そして最終的に、
ストーンと共にチャーターの一員として
世界を救う道を選ぶのでした。
おそらく最後の姿が、
ケヤ本来の姿なのだと思います。
もし次回作が制作されることになれば、
今度はチャーターのエージェントとしての
ケヤの活躍が見れるかもしれませんね。
6つ目:タイトルの意味
本作のタイトルの「ハート・オブ・ストーン」は、
直訳すると「石の心」や「冷酷な心」となります。
チャーターの凄腕エージェントである、
ストーンを表している感じがしますね。
MI6に潜入中の彼女は、
彼らに心を開くことは許されません。
彼らの身が危険になった場合でも、
チャーターの任務を遂行するためには、
見殺しにしなければなりません。
つまりストーンは常に
「冷酷な心」でいなければならないのです。
愛情深いストーン
しかし実際には、
ストーンに冷酷さはありませんでした。
リスボンでチームが襲われた時には、
命をかけて彼らを助けました。
また、敵であるケヤに対しても、
事情を知った後は、
自分と一緒に逃げようと
救いの手を差し伸べていましたね。
最終的にケヤはそんなストーンに心を開き、
パーカーからハートを守ることができました。
つまり本当に強いものは、
冷酷な心ではなく温かい心だったのです。
本作のタイトルには、
このような意味が込められているのかもしれませんね。
7つ目:多様な国籍の俳優を起用している
本作は多彩な国籍の俳優陣が集結しています。
- ストーン:ガル・ガドット:イスラエル人女優
- パーカー:ジェイミー・ドーナン:アイルランド人俳優
- ケヤ:アーリヤー・バット:イギリス人のボリウッド(インド映画)女優
- ノマド:ソフィー・オコネドー:イギリス人女優
- ヤン:ジン・ルージ:中国出身のイギリス人女優
- ジャック:マティアス・シュヴァイクホファー:ドイツ人俳優
とても国際色豊かですね。
おそらくこのようなキャスティングの理由は、
本作がNetflixオリジナル作品だからでしょう。
このように各国の俳優が出演する作品は、
各国の動画配信サービス市場に売り込みやすいそうです。
本作の中心となる「チャーター」は、
国境を越えて活動する組織です。
この設定は、
国際色豊かな俳優陣を
自然にキャスティングするためだったのかもしれませんね。
まとめ
今回は「ハートオブストーン」のわかりにくい部分について
詳しく考察してきました。
細かい部分を理解してからもう一度鑑賞すると、
より深く本作を楽しめるかもしれませんね。