「アバター2」「バビロン」など、
最近は上映時間の長い洋画が多い傾向にあります。
邦画でも「レジェンド&バタフライ」の2時間48分など、
長編作品が見られます。
しかし過去にはもっと長い作品がありました。
そこで今回は上映時間の長い映画ランキングを
ご紹介したいと思います。
他にも長い上映時間の映画がありましたら、
お問い合わせより教えていただけると加筆させていただきます。
上映時間の長い映画ランキング40
1位:「Logistics」(857時間)
公開:2012年
上映時間:857時間(35日17時間)
現在(2023年2月時点)、
もっとも長い映画とされているのが、
「Logistics」という映画です。
制作国などの詳細は不明ですが、
歩数計がどのように作られて、
どのようにエンドユーザーに運ばれるか
を追った実験映画となっています。
2位:「アンビアンス」(720時間)
監督:アンデシュ・ヴェドベリ
制作国:スウェーデン
公開:2020年
上映時間:720時間(30日)
スウェーデンの監督による実験映画。
アーティストとしてのキャリアの集大成として
映画史の中で最も長い映画にしようと
制作したそうです。
「空間と時空が絡まり合い
場所を越えた超現実的で夢のような
世界が混ざり合う」
というアート作品で、
難解なストーリーになっています。
しかもこの作品、
2020年12月31日に全世界同時公開後は、
フィルムが破棄されるという
色々な意味で映画の概念を覆すような作品です。
3位:「SHOAH ショア」(9時間30分)
監督:クロード・ランズマン
キャスト:
シモン・スレブルニク
フランツ・ズーホメル
アブラハム・ボンバ
ヤン・カルスキ
制作国:フランス
公開:1985年
上映時間:9時間30分
あらすじ
第2次世界大戦中のナチスドイツによる
ユダヤ人強制収容所とホロコーストの全貌を
・収容所から生き延びたユダヤ人
・元ナチス親衛隊員
・収容所近くに住んでいた農夫
・ユダヤ人移送用の機関車の運転士
・ポーランド亡命政府の密使
このような関係者が語り尽くします。
解説
数多くのドキュメンタリーを手がけてきた
クロード・ランズマン監督が、
11年もの歳月をかけ完成させた
ドキュメンタリー超大作。
被害者であるユダヤ人だけでなく
加害者のドイツ人のインタビューも交えた映像は
衝撃的な内容。
9時間半という長い時間だからこそ
伝わる真実があるでしょう。
4位:「鉄西区」(9時間5分)
監督:ワン・ビン
制作国:中国
公開:2003年
上映時間:9時間5分
あらすじ
20世紀中国の重工業地帯だった瀋陽の鉄西区。
時代の流れにより衰退していく「鉄西区」の様子が
「工場」「街」「鉄路」の
三部に分けて映し出されていきます。
解説
9時間以上の超大作ですが、
残酷な時の流れにより廃れていく
工場、街、人々の姿に引き込まれ、
飽きることなく観れる内容です。
過度な演出はなく、
ただただそこにいる中国人の日常を
見ることができます。
5位:「サタンタンゴ」(7時間18分)
監督:タル・ベーラ
キャスト:
ヴィーグ・ミハーイ
ホルヴァート・プチ
デルジ・ヤーノシュ
ボーク・エリカ
制作国:ハンガリー・ドイツ・スイス
公開:1994年
上映時間:7時間18分
あらすじ
ハンガリーのある小さな村。
村人たちの貯金を持ち逃げする
計画を立てる男たちがいました。
するとそこへやってきた女が
「1年半前に亡くなった青年が帰ってきた」
という信じられないことを言います。
村人たちの間には不穏な空気が
流れました。
解説
ハンガリーの奇才
タル・ベーラ監督による超大作。
「現代アートの到達点」など、
世界中から高い評価を受けた作品。
贅沢な7時間を過ごせた
7時間全てのシーンが圧倒的
など賞賛の声が多いです。
独特の長回し撮影で捉えられた
村人たちのリアルな描写には
時間を忘れて引き込まれるでしょう。
6位:「戦争と平和」 (7時間11分)
監督:セルゲイ・ボンダルチュク
キャスト:
リュドミラ・サベーリエワ
ビャチェスラフ・チーホノフ
セルゲイ・ボンダルチュク
制作国:ソビエト連邦
公開:1967年
上映時間:7時間11分
あらすじ
ロシアのトルストイの名作小説の映画化。
ナポレオンのロシア侵攻を背景に、
貴族から農民までさままな人々の運命が
綴られます。
解説
当時のソ連が国をあげて、
総力を結集して作り上げた国家的な超大作。
アカデミー外国語映画賞を受賞しています。
ただ長いだけでなく、
ハリウッド映画を越えた
壮大なシーンの連続に圧倒されます。
これぞ超大作と思わせられる作品です。
7位:「ヒトラー、あるいはドイツ映画」(6時間50分)
監督:ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク
制作国:西ドイツ・フランス・イギリス
公開:1977年
上映時間:6時間50分
あらすじ
ヒトラー、ドイツ史、ドイツ文化と向き合う
アート作品。
映画史とドイツ現代史を重ね、
史上最大の映画作家としての
ヒトラーが描かれます。
解説
20世紀最高の芸術作品かつ史上最高の映画
との賞賛の声も上がる芸術作品。
映画というよりも
演劇的な演劇的で、
対話や独白が繰り広げられていきます。
ヒトラーを生み出したドイツ文化とは
何だったのか
を追求する問題作です。
8位:「ジョルダーニ家の人々」(6時間39分)
監督:ジャンルカ・マリア・タヴァレッリ
キャスト:
パオラ・コルテッレージ
クラウディオ・サンタマリア
ロレンツォ・バルドゥッチ
エンニオ・ファンタスティキーニ
制作国:イタリア、フランス
公開:2010年
上映時間:6時間39分
あらすじ
それぞれが順風満帆な日々を送っていたジョルダーニ家。
しかし久しぶりに家族が集まった翌朝、
三男が交通事故で命を落としてしまいます。
この悲しい出来事により
バラバラになってしまう一家。
さまざまな問題に直面しながらも、
再生していく一家が描かれます。
解説
一家の苦悩や再生を通して描かれる
普遍的な家族愛や絆などに
共感しながら引き込まれる長編作品です。
同性愛、不倫、移民問題などが
鋭く描かれている作品でもあります。
イタリアでは全4話のドラマとして
2010年にテレビ放送されていますが、
日本では6時間39分の長編作品として
劇場公開されました。
9位:「輝ける青春」(6時間6分)
監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
キャスト:
ルイジ・ロ・カーショ
アレッシオ・ボーニ
アドリアーナ・アスティ
ソニア・ベルガマスコ
制作国:イタリア
公開:2003年
上映時間:6時間6分
あらすじ
1960年代から21世紀初めまでのイタリア舞台に、
中流家庭カラーティ家の37年間が
激動の歴史を背景に感動的に描かれます。
希望をもって人生を切り開こうとする兄、
世の中とうまく向き合えない弟。
このカラーティ家の兄弟の出来事を主軸に
物語が展開します。
解説
6時間という長い時間の中で
登場人物の心情が丁寧に描かれているため
感情移入しやすい作品です。
また、イタリアの激動の時代とともに
家族の物語が進む
飽きさせないストーリーなので
6時間があっという間に感じられるでしょう。
美しいイタリアの風景にも注目です。
10位:「ハッピーアワー」(5時間17分)
監督:濱口竜介
キャスト:
田中幸恵
菊池葉月
三原麻衣子
川村りら
制作国:日本
公開:2015年
上映時間:5時間17分
あらすじ
30代後半に突入した
あかり、桜子、芙美、純の4人組。
何でも話せる女友達と思っていたのですが、
純が1年も前から離婚協議をしていた事実を知り
衝撃を受けます。
これをきっかけに自分たちの生き方を
見直していきます。
解説
「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督が仕掛ける
映画の枠組みを無視した型破りな作品。
主演の4人は
監督主催の即興芝居のためのワークショップの
参加者たちから選出。
プロの俳優や派手な演出はなく、
主人公たちの心の葛藤が
ダイレクトに描かれます。
不思議な映画体験ができる
5時間17分の長編作品です。