【PLUTO】ブラウ1589の正体は青騎士?人を殺したことのある唯一のロボット!

「PLUTO」に登場するロボットブラウ1589。

重要なキャラクターにもかかわらず、

謎が多いロボットです。

今回の記事では、

ブラウ1589の正体について考察したいと思います。

【PLUTO】ブラウ1589の正体は?

人を殺したことのある唯一のロボット

「PLUTO」の世界において、

ロボットは人を殺さないようにプログラムされています。

ロボットはロボットを殺すことができても、

人を殺すことはできません。

ところがロボット史上、

唯一人を殺したことがあるロボットがいます。

それが「ブラウ1589」です。

しかし誰をどのような状況で殺したのか、

詳細は明かされていません。

地下に隔離されている

ブラウ1589は、

ブリュッセルの人工知能矯正キャンプの地下に隔離されています。

全身がほぼ破壊されており、

かろうじて配線が繋がっている状態。

体には大きな槍が突き刺さっています。

身動きが取れずただ座っているという痛々しい状態です。

しかし意識ははっきりしていて、

他者と会話をすることは可能です。

ただし強力な電磁波を放つため、

面会にはプロテクターが必須。

これまで面会に来た4体のロボットを破壊しています。

ちなみにゲジヒトは電磁波を遮断するゼロニウム合金製なので、

プロテクター無しで対面しています。

人間に近づいてしまったロボット

殺人ができないようにプログラムされているにもかかわらず、

人を殺してしまったロボット、ブラウ1589。

普通に考えれば、

何か異常があり誤作動を起こした可能性が疑われるでしょう。

しかし彼の人工頭脳を徹底的に調査した結果、

出た結論は正常。

完璧な人工頭脳でした。

それではどうして人を殺したのか？

それは人間に近づいたからです。

人間のように負の感情を持てるようになった

アトムとお茶の水博士がブラウ1589について話すシーンがあります。

どこに欠陥があり殺人を犯したのか尋ねるアトム。

お茶の水博士は、

と答えます。

アトムは、

と問いかけるのでした。

ブラウ1589は、

完璧な人工頭脳＝人間と同じような頭脳

を持っていたと思われます。

単純なロボット頭脳にはなかった、

・憎しみ
・悩み
・不安

などの負の感情を人間と同じように持てるようになったのでしょう。

そしてその感情が膨れ上がったのだと思われます。

負の感情が膨れ上がり殺人を犯した

人間は負の感情や出来事を忘れ去ることができます。

しかしロボットはどんな記憶も忘れることはできません。

そのため負の感情が膨れ上がってしまい、

処理できなくなったために殺人を犯したのではないでしょうか。

ブラウ1589のモデルは「青騎士」

ブラウ1589の正体について、

最後まで詳しく語られることはありませんでした。

しかし、

鉄腕アトムシリーズに登場する「青騎士（ブルー・ボン）」がモデル

と言われています。

・青騎士もブラウ1589も初めて人間を殺害したロボット
・青騎士は収縮可能な体が特徴、ブラウ1589も体が収縮する
・青騎士は槍が主武装、ブラウ1589の体には槍が刺さっている
・ブラウ（Blau）はドイツ語で青を意味する
・1589年はフランスのブルボン朝が始まった年

このような点から、

ブラウ1589は青騎士が元ネタであることは

ほぼ間違いないとされています。

青騎士について知ることで、

ブラウ1589についてより深く知ることができそうですね。

青騎士とは?

後に青騎士と呼ばれるブルー・ボンは、

ロッス博士が作った3人のきょうだいロボットでした。

長男：ブルー・ボン
長女：マリア
次男：トント

マリアの美貌に惚れ込んだブルク伯爵という人物が、

彼女を妻に迎えます。

しかしロボットを奴隷としか考えていない侯爵は彼女を虐待。

彼女の身を案じて伯爵のもとを訪ねたトントと共に、

伯爵はバラバラに破壊してしまいました。

妹と弟を破壊され憎しみの感情を持ってしまうブルー・ボン。

一方マリアとトントを破壊されたことに嘆くロッス博士は、

ブルー・ボンに黙って彼の体を改造。

マリア、トント、ブルー・ボン、3体の体を1つにしてしまったのです。

収縮させることで変身機能が組み込まれた体でした。

しかしブルー・ボンはこの体を恥じ、

鎧をまとい博士の元を去りました。

そして彼はロボットを横暴に扱う人間たちを襲撃、殺害。

ロボットの独立国家「ボルタニア」建設の野望を抱きます。

彼は人々から「青騎士」と呼ばれるようになったのでした。

ブラウ1589は青騎士と同じ境遇だった?

人間に家族を破壊されたことで人間に恨みを持つようになり、

殺人を犯した青騎士。

憎しみの連鎖による戦いが描かれる「PULTO」の世界観と

リンクするキャラクターと言えますね。

本作のキーパーソンであるブラウ1589は青騎士がモデルという説は、

ほぼ間違いないでしょう。

この説で考えるとブラウ1589は、

元は家族思いの優しいロボットだったが、

家族を殺されたことで憎しみの感情を持ち殺人を犯した

と考えられるのではないでしょうか。

だから同じ状況にあったゲジヒトと

心が通じ合ったのかもしれません。

アトムと旧友だった

謎が多いブラウ1589ですが、

アトムと旧友であったことが判明します。

プルートゥ、ボラーとの最後の戦いを前に、

ブラウ1589に会いに行くアトム。

アトムの姿を見たブラウ1589は、

と喜びます。

そしてアトムはブラウ1589にあることを頼みます。

この頼み事の内容は後述しますが、

アトムはブラウ1589を信頼していることがわかります。

本作においてこの二人の関係性は重要な要素ですが、

残念ながら詳しい説明はありませんでした。

しかし、

アトムは青騎士のロボタニア建国に協力し、

人間軍と戦い勝利するという別エピソードがあります。

おそらくこのような背景が、

「PLUTO」にも反映されているのでしょう。

どうしてDr.ルーズベルトを破壊したのか

ブラウ1589に関する大きな疑問はこれでしょう。

プルートゥによって地球が救われた後、

ブラウ1589は脱獄し、

アレクサンダー大統領とDr.ルーズベルトのもとへ向かいます。

そして自分の体に刺さっている槍を引き抜き、

Dr.ルーズベルトを破壊します。

アトムがブラウ1589に頼んでいた?

プルートゥ、ボラーとの最終決戦の前に

ブラウ1589に会いに来たアトム。

と言うアトム。

すると次のシーンで

テディベア「Dr.ルーズベルト」の姿が映し出されました。

その後、

とブラウ1589は答えるシーンになりました。

アトムが頼んだ内容は描かれていませんが、

「Dr.ルーズベルト」を倒してほしい

ということだったのではないでしょうか。

トラキア合衆国の

マザーコンピューターで、

大統領のブレイン（相談役）であるDr.ルーズベルト。

しかしその正体は、

人間の世界を終わらせてロボットの世界を作ろうと企む人工知能です。

憎しみの連鎖の発端を作り人類滅亡の危機を招いた黒幕は、

おそらくDr.ルーズベルトです。

ボラーを倒してもDr.ルーズベルトがいる限りは、

本当の脅威は去ったと言えないということを、

アトムはわかっていたのでしょう。

そして「Dr.ルーズベルト」を止めることができるのは、

ブラウ1589だけだということもわかっていたのだと思います。

だからブラウ1589にこの大事な役目を頼み、

彼は約束通りにDr.ルーズベルトを破壊したのでしょう。

アレクサンダー大統領を助けたのはなぜ?

ブラウ1589はDr.ルーズベルトを破壊する前、

アレクサンダー大統領の首を絞めて殺そうとします。

しかし思い留まり、

Dr.ルーズベルトだけを処刑しました。

これはおそらく、

アレクサンダー大統領の「心」に触れたからではないでしょうか。

アトムと対面した時、

ブラウ1589はアトムに触れたいと言います。

そしてアトムの手を触り、

と言っていました。

アトムの中にある人間の心に触れた瞬間だったのです。

そしてその後に、

アレクサンダー大統領の首を掴んだブラウ1589は、

と言って大統領を殺すのをやめました。

裏で戦争を仕掛けるなど、

悪事を働いてきたアレクサンダー大統領ですが、

と言っているように良心もあります。

ただ弱さが勝ってしまい、

悪事をはたらいてしまったのです。

アトムから人間の心の温かさを教えられたブラウ1589は、

そんな大統領の心に触れたため殺すことをやめたのでしょう。

まとめ

今回は「PLUTO」のブラウ1589の謎について、

様々な角度からまとめてきました。

おそらく鉄腕アトムの別エピソードに登場する

青騎士というキャラクターが元ネタでしょう。

そのキャラクターを知ることで、

ブラウ1589の行動や目的が、

少しわかりやすくなりますね。