ロビタという子どもがいたゲジヒト。
しかしなぜかその記憶は消されていました。
それはどうしてだったのでしょうか。
今回の記事では、
ゲジヒトの子どもの記憶がない理由や、
養子を取った理由についてまとめたいと思います。
PLUTOゲジヒトが子どもの記憶がなかったのはなぜ?
ゲジヒトの記憶が操作されていたから
子どもの記憶がなかったのは、
ゲジヒトを管理しているユーロポールという組織が、
意図的に記憶を消していたからです。
その理由は、
ゲジヒトが犯した殺人を隠蔽するためでした。
それではどうしてゲジヒトは
人を殺してしまったのでしょうか。
養子を育てていた
ある事件の中で、
人間の親子の愛情に興味を持ったゲジヒト。
スクラップ場で、
壊れている旧式子どもロボットを見つけた彼は
このロボットを買い取り、
大事に抱えて自宅に帰ります。
子どもにロビタという名前を与え、
妻ヘレナと共に愛情を注いで育てます。
ロビタもまた、
ゲジヒトとヘレナを
「パパ、ママ」と呼び、
両親の愛情を感じていました。
殺人犯に子どもを殺される
人間の親のように、
我が子に対する愛情が芽生えたゲジヒトですが、
ある男によってその幸せが奪われてしまいます。
反ロボット教団に所属するアドルフ・ハースの兄です。
ロボットを憎み、
ロボットは人間を殺せないが、
逆に人間はロボットを殺せる
という歪んだ考えを持つ彼は、
連続幼児型ロボット誘拐殺人事件を起こしていました。
そしてロビタを誘拐し冷酷に破壊したのです。
怒りにより犯人を殺した
壊れてしまった我が子を見たゲジヒトは、
普段は見せないような怒りを爆発させ、
犯人の男へ発砲。
殺人を犯してしまうのでした。
ロボットは人を殺さない
ゲジヒトが殺した男は、
子どもロボットをバラバラに破壊する異常犯罪者です。
そんな男に我が子を殺されたゲジヒトが、
復讐した気持ちはよく理解できます。
しかしこの事件、
ゲジヒトにとっては大問題です。
ロボットは人を殺さないように作られているからです。
これまで殺人を犯したロボットは1体だけ。
ブラウ1589です。
彼は人工知能矯正キャンプの地下に隔離されていて、
身動きが取れない状態で幽閉されています。
ゲジヒトが人を殺したことが世間に知れたら、
ブラウ1589のように捕らえられてしまうのでしょう。
ゲジヒトの殺人が世間に知られてはいけないから
ゲジヒトは莫大なお金を投じて作られた
最強の高性能ロボットです。
彼を失うことは、
ユーロポールにとって大きな痛手となるでしょう。
また、
人を殺すロボットの存在が世間に知れたら、
大きな混乱を招くことにもなります。
このような理由から、
ユーロポールはゲジヒトの記憶から、
・ロビタを養子にした記憶
・ロビタが殺された記憶
・ロビタの復讐で殺人を犯した記憶
このような記憶を丸ごと消し去り、
夫婦で一緒に旅行する記憶を上書きしていたのです。
ゲジヒトの憎しみの感情を封じるため
ゲジヒトに子どもの記憶がなかった理由は、
ユーロポールがゲジヒトの感情を封じるためでもありました。
大きな憎しみにより、
ロビタを破壊した犯人を殺したゲジヒト。
またこの感情が出てきてしまったら、
同じように殺人を犯してしまうかもしれません。
ロボットであるゲジヒトにとって、
このような強い感情は脅威になってしまうのです。
それを恐れたユーロポールは、
ゲジヒトの記憶を操作したのでしょう。
その後、子どもの記憶を取り戻す
ゲジヒトは子どもの存在や、
殺人を犯したことについて、
全く知らずに生活していました。
しかし、
- ロビタに似たロボット、モハメド・アリとの出会い
- 殺した男の弟アドルフとの交流
このような状況から、
その記憶が断片的に蘇ってきたのです。
最終的にすべての記憶が戻ります。
妻ヘレナの記憶は戻ったのか?
ユーロポールは、
ゲジヒトと同じように妻ヘレナの記憶も操作し、
ロビタに関する記憶を消去していました。
しかしゲジヒトとヘレナは、
二人とも同じ時期の記憶が無いことに気付きます。
その後ゲジヒトはロビタの記憶を取り戻しますが、
ヘレナの記憶は戻りませんでした。
おそらくゲジヒトは世界有数の高性能ロボットであるため、
自ら記憶を蘇らせることができたのでしょう。
アトムに真実を聞くヘレナ
ヘレナはゲジヒトが死んだあと、
ゲジヒトの記憶を受け取ったアトムと対面します。
アトムはゲジヒトが最後までヘレナを愛していたことを告げ、
ヘレナはその言葉に救われます。
しかしヘレナは、
ゲジヒトは失った記憶を突き止めたのでは?
どんな悲しい事実でも受け止めるから隠さず話して。
とアトムに言います。
アトムはロビタの事実を知っていますが、
いいえ、僕は何も知りません。
僕はロボットなので嘘はつけません。
と答えます。
しかしヘレナはアトムの嘘を見抜いていたようです。
アトム・・
あなたは今うそをついた?
と最後に呟くのでした。
PLUTOゲジヒトが養子を取った理由は?
人間のような生活をしたかったから
PLUTOの世界のロボットたちは、
人間そっくりの姿をしていますが、
食事を味わったり、トイレをするなど、
人間のような生活はできません。
しかしロボットたちは、
お茶の飲むふりをしたり、
トイレに行くふりをして、
少しでも人間に近づけるように行動しています。
もちろん子どもを作り、出産することもできないのですが、
ロボット夫婦は養子を育てることで、
人間の親と同じように子どもに愛情を注いでいます。
ゲジヒトも人間の生活に近づくために、
養子を取ろうと思ったのでしょう。
人間の親のようになりたかったから
廃材置き場で壊れかけの子どもロボットを買い取ったゲジヒト。
彼をギュッと抱きしめ、
地球が終わっても、おまえを離さないぞ
と言います。
このセリフは、
ゲジヒトが関わった事件の中で、
人間の親が我が子に言っていた言葉でした。
ゲジヒトは人間の愛情を真似るために、
この言葉を使ったのでしょう。
人間の親のようになりたいという
ゲジヒトの切ない想いが伝わってきます。
ゲジヒトの愛情は世界を救った
ロビタの記憶を取り戻したゲジヒトは、
憎しみからは何も生まれない
ということを悟りました。
ロビタを殺されたゲジヒトは、
非常に強い憎悪が芽生えアドルフ兄を殺害しました。
そしてこれにより、
今度はアドルフがゲジヒトに強い憎しみを持つことになりました。
この悪循環を断ち切るためには憎しみから解放されなければならない
ということを悟ったのでしょう。
最終回でプルートゥと対峙したアトムは、
ゲジヒトなど殺された仲間の憎悪を力に変えて、
プルートゥに立ち向かいます。
しかしプルートゥを破壊しようとした時、
憎しみからは何も生まれないよ
というゲジヒトの言葉を思い出し、
プルートゥと戦うことを止めました。
アトムの優しさに触れたプルートゥもまた憎しみから解放され、
最終的にアトムの代わりに地球を救います。
憎しみからは何も生まれない!
という言葉を残し強敵ボラーに突進したプルートゥ。
ゲジヒトがロビタを通して悟った愛情が、
結果的に地球を救ったのでした。
まとめ
今回はPLUTOの主人公ゲジヒトの
子どもの記憶についてまとめました。
子どもロビタのために殺人を犯したゲジヒトは、
その事実を隠蔽するために記憶を消されていました。
しかし最終的にロビタの存在が、
憎しみの連鎖を断ち切り、
地球を救うという壮大なストーリーに発展しました。
PLUTOはとても切なく、奥が深い作品ですね。