世界で大絶賛された「エブエブ」ですが、
ポリコレ要素が強すぎる
というネガティブな見方もあるようです。
今回は本作がポリコレを言われる要素について
調べてみました。
ネタバレを含みますので、本編ご鑑賞後に記事をご覧ください。
エブエブがポリコレと言われる理由6つ
1つ目:アジア人

https://gaga.ne.jp/eeaao/
アメリカにおいては、
マイノリティとされているアジア系。
本作では、
そのアジア系を全面的に主役とした作品です。
本作のメインキャラクターを演じた俳優は6人ですが、
そのうち4人がアジア系となっています。
- ミシェル・ヨー(エヴリン):中国系マレーシア人
- ステファニー・スー(ジョイ):台湾系アメリカ人
- キー・ホイ・クァン(ウェイモンド):中国系ベトナム人として生まれる
- ジェームズ・ホン(ゴンゴン):アジア系アメリカ人
多様性を重視する最近の映画界のトレンドに
バッチリはまっていることから、
ポリコレ色が強いと感じられるのでしょう。

さらに本作の監督は、
ダニエル・クワン
ダニエル・シャイナート
こちらのお二人ですが、
ダニエル・クワンもアジア系アメリカ人です。
アジア勢で固めた映画ということが、
ポリコレと言われる一番の要因でしょう。
2つ目:裕福ではない移民一家

https://gaga.ne.jp/eeaao/about/#intro
本作で描かれるアジア系一家は移民です。
アメリカンドリームを叶えたアジア人ではなく、
小さなコインランドリーを営む、
あまり裕福とは言えない一家です。
これもポリコレ要因と言われる理由の一つでしょう。
移民の国であるアメリカですが、
移民が主人公の映画は非常に少ないです。

Twitter(X)より
アジア移民が登場する映画はたくさんありますが、
彼らは脇役であることはほとんどです。
しかもステレオタイプで描かれることが多く、
本作のように人物を深く掘り下げることは、
あまりありません。
今まで無視されてきたアジア系移民にスポットを当てたことは
大きな意味のあることですが、
これに対して、
またポリコレか…
とネガティブな感想を持った方もいたようです。
3つ目:地味な見た目

すばらしい能力を開花させ、
マルチバースの世界に挑んだエヴリン。
まさにスーパーウーマンですが、
見た目は地味なおばさんです。
もちろん演じるミシェル・ヨーは絶世の美女ですが、
映画の中では地味なおばさんとして描かれています。
本作は主人公エヴリンをはじめ、
基本的にみんな地味。
- 主人公エヴリンはただのおばさん
- 娘ジョイはぽっちゃり体形
- 夫ウェイモンドは冴えない見た目
- 敵のディアドラは中年太りのおばさん
このように、
誰もが憧れるような美男美女は一切出てきません。
これも最近のポリコレ映画と言われる作品の
特徴の一つと言えます。
スタイルの良い美男美女ではなく、
より一般的な見た目の人物が活躍するというもの。
「ミラベルと魔法だらけの家」(2021年)という作品の主人公は、
地味でオタクっぽくメガネの女の子
ということで、
ポリコレ要素が強いとして話題となりました。
本作の登場人物たちも、
そのような違和感があるようですね。
4つ目:女性

https://gaga.ne.jp/eeaao/
本作の主人公はエヴリンという女性です。
少し前までは、
・スーパーマン
・スパイダーマン
・アイアンマン
など強くてたくましい男性が、
捕らえられている女性を助ける
というヒーロー映画が主流でした。
しかし最近は男女差別をなくすために、
戦う女性を描いたポリコレ映画が多くなっている
と言われています。

エヴリンはマルチバースの世界の中で戦い、
家庭でも仕事と家庭を守るために
日々戦っています。
これもポリコレ映画とされる要素と言えるでしょう。
しかもエヴリンとは対照的に、
夫のウェイモンドが頼りなく描かれているところも、
ポリコレらしさが出ているのかもしれませんね。
マリオ映画もポリコレ作品?

https://www.universalpictures.jp/micro/super-mario-bros
世界中で大ヒットした「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年)。
この作品は、
ピーチ姫の描き方についてポリコレ配慮を感じる
と話題になりました。
ゲームの中では助けを待つだけのピーチ姫ですが、
映画では囚われたルイージを助けるために
勇ましく戦う姿を見せたからです。
戦う強い女性の映画はこれまでもありましたが、
特に最近は観る側が敏感になっているようですね。
5つ目:同性愛

「エブエブ」のテーマの一つに
同性愛があります。
エヴリンの娘のジョイは、
ベッキーという女性の恋人がいますが、
母に認めてもらえずに苦悩しています。
一方エヴリンも別の宇宙では
ディアドラと恋人関係にあります。
この2つのカップルと通して
同性愛が描かれるシーンが多かったことも、
多様性を描いたポリコレ映画
と言われる理由のようです。
同性愛は必須要素だったという声も
同性愛を描いたポリコレ映画と言われる作品の中には、
とりあえずメインキャラクターの中に
同性愛者を1人入れておこう
という意図が感じられるものがあります。
しかし本作の場合は、
必須要素だったという意見も多いです。
エヴリンとジョイの親子関係の
破壊と修復が本作の主軸であり、
それの発端とも言えるのが、
同性愛に理解を示さないという
母親の態度でしょう。
エヴリンは別宇宙で同性愛者の自分も経験することで、
ジョイの気持ちに寄り添えるようになります。
このような展開にするためには、
同性愛パートは重要であり効果的だったと言えます。
6つ目:多動性障害(ADHD)

https://gaga.ne.jp/eeaao/about/#intro
「エブエブ」の裏設定として、
エヴリンが注意欠陥・多動性障害(ADHD)を患っている
という設定があります。
劇中で明言されることはありませんが、
エヴリンが日常のタスク処理に限界を感じているのは
大人の発達障害の当事者だからです。
最近のポリコレ映画の傾向として、
障がい者が登場するという要素もあるようです。
ディズニー映画の
「ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界」(2022年)には、
・白人の夫と黒人の妻
・ゲイの息子
・アジア人女性の大統領
・障害持ちの犬
このようなキャラクターが登場し、
ポリコレ祭りみたい
と揶揄されていました。
本作のエヴリンも、
- アジア系
- 移民
- おばさん
というポリコレ要素に加えて、
ADHDまで加えられていることで、
ポリコレ感が満載
と感じた方もいたようです。





まとめ
今回は「エブエブ」がポリコレと言われる要素について
まとめてきました。
アジア人の移民、
地味な見た目や同性愛にADHDなど
様々な要素が指摘されています。
しかし本作の主軸と言える部分でもあるため、
安易にポリコレだとは言えないかもしれません。
実際に本編を観てみて、
ポリコレを意識しているのか否か、
自分で考えてみることが大事ですね。