【エブエブ】岩のシーンの考察!石のセリフの意味とは? 哲学的で深い? 

カオスすぎるマルチバースを描いた「エブエブ」。

その中でも、

静かすぎる岩のシーンが話題になりました。

どんな世界なの?

語られた内容は?

岩のシーンの意味は?

など岩のシーンに関することについて

調べてみました。

ネタバレを含みますので、本編ご鑑賞後に記事をご覧ください。

目次

【エブエブ】岩のシーンの考察5つ

1つ目:生物が発生しなかった世界


https://gaga.ne.jp/eeaao/

本作で描かれる様々なマルチバースの世界。

岩のシーンもその一つです。

登場するのは石の姿をしたエヴリンとジョイ。

広大な山々の中に並んだ二つの石が

会話をするというシュールなシーンです。

石のジョイが、

生物発生の条件が揃わなかった宇宙の一つ
ほとんどの宇宙がこう

と説明しているように、

生物が発生する環境ではなかったために、

自然だけが存在している宇宙です。

人間の世界の小ささが語られている

広い宇宙の中では、

生物が存在する場所は、

非常に小さな存在です。

広大な宇宙から見たら、

地球は本当に小さな粒に過ぎないでしょう。

それを語っている壮大なシーンと言えますね。

エヴリンは石ジョイの存在に気付いた

エヴリンは様々なマルチバースを経験したことで、

隣にいる石が娘ジョイだと気付きます。

もしかしたら、

それまでは何年、何十年も

隣にいながら娘とは気づかなかったのかもしれません。

そんなことを考えると

じんわり感動がこみ上げてくるシーンでもありますね。

2つ目:天動説・地動説とマルチバースの話

https://gaga.ne.jp/eeaao/about/#intro

岩のシーンはとても哲学的だとも言われています。

その理由はマルチバースと天動説・地動説が、

同じように描かれているところでしょう。

天動説とは、地球は宇宙の真ん中に静止していて、すべての天体が地球の周りを回っているという考え方。
地動説とは、地球を含め、すべての惑星が太陽の周りを回っているという考え方です。
地動説は1543年、ニコラウス・コペルニクスにより唱えられました。

エヴリンとジョイの会話の中で、

私たちは愚かな小さな人間、
地球が宇宙の中心だと思っていた

実は太陽を周回していて、
太陽は無数の恒星の一つだった

このように天動説・地動説について語っています。

そしてさらに、

今無数の宇宙の一つだという事実に対処しようとしている

と言います。

これはマルチバースの宇宙のことですね。

マルチバースを知るまでのエヴリンは、

まるで天動説のように自分は地球の真ん中にいると思っていました。

しかし今は無数の宇宙(マルチバース)の存在を知っています。

広い視野を持つことが大事


Twitter(X)より

さらに石のジョイは、

新しい発見をしては
私たちは小さくて愚かだと思い知る

次の偉大な発見があったら、
もっとクソ愚かだと感じるはず

と語ります。

私たちの生活の中にも言える

普遍的なことでもあるでしょう。

小さな世界しかしらないと、

自分が愚かであることにも

気付かないということ。

これはハッとさせられる部分でした。

静かな演出が素晴らしい


https://gaga.ne.jp/eeaao/

このシーンは、

音も動きもなく、

石の映像と字幕だけが流れます。

スクリーンからの情報量が少ない分、

この哲学的な内容が

スッと頭に入ってきます。

この演出は巧いですね。

3つ目:穏やかに話し合える世界

エヴリンとジョイは、

どの宇宙においても、

良い関係を築けていません。

コインランドリーの宇宙では、

ジョイの同性愛を認められないエヴリン。

殺し合うほど憎み合っている宇宙もあります。

和解する石のエヴリンとジョイ

https://gaga.ne.jp/eeaao/about/#intro

しかしこの岩の宇宙だけでは、

穏やかな言葉で会話をしています。

私のせいでごめんね

と謝る石のエヴリン

ここでは気にしない
ただの岩だから

と答える石のジョイ。

汚い言葉を言ってふざけあったり、

お互いに励まし合ったり、

人間より人間らしい会話が展開します。

石だからこそ、

全ての感情をフラットにして

穏やかに話し合えるという描写が

とても興味深かったですね。

岩のシーンには、

優しい二人の会話に泣けた

岩のシーンが一番感動した

このように「泣いた」という感想が見られました。

4つ目:石の力で弾丸を防いだ?


https://gaga.ne.jp/eeaao/

岩のシーンには、

様々な要素が詰め込まれていますが、

刺客たちと戦うエヴリンの力になる

という役割もあるでしょう。

劇中終盤、

刺客たちから銃で攻撃されたエヴリン。

弾丸の一つがおでこに命中します。

しかし弾丸はおでこを貫通することはなく、

エヴリンは落ち着いておでこについた弾丸を手に取ります。

これはおそらく、

岩のシーンにおける石の力を得ていたので、

弾丸をおでこで受け止めたということでしょう。

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エヴリンはこの後、

この弾丸のかわりに、

ウェイモンドの優しさの象徴とも言える

ギョロ目をおでこにつけて、

戦いに挑みます。

岩の宇宙は、

この大事なシーンの伏線にもなっていたのですね。

5つ目:「休憩」のためのシーンだった

https://gaga.ne.jp/eeaao/about/#intro

監督のダニエル・クワンとダニエル・シャイナートは、

岩のシーンについて語っています。

何も起こらないシーンと向き合うことがとても面白いと思った

といい、

思いついた時はとても興奮したそうです。

しかしこのシーンにはもっと重要な目的もあったといいます。

それは観客に休息を与えるための時間。

この映画は1コマずつエヴリンの顔が切り替わるほど、

カオスだらけの作品。

だから画面があまり動かず、
セリフもない岩のシーンで一息ついて欲しかった

というのです。

しかし結果的に多くの観客がこの静寂のシーンに、

カオスシーン以上に心が動かされた観客が多かったそうです。

これには監督自身、

映画制作における美しい発見だったと

喜んでいたそうです。

まとめ

今回は「エブエブ」の岩のシーンについて

いくつか考察をしてきました。

音も映像の動きもない静かなシーンではありますが、

そこに心を動かされるような

不思議な魅力があるシーンであることがわかりました。

本作を観る時には、

岩のシーンに集中してみてくださいね。

【エブエブ】岩のシーンの考察!石のセリフの意味とは? 哲学的で深い? 

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