「エブエブ」には、
様々な映画のオマージュが登場します。
今回はオマージュとされている映画の元ネタを
まとめてみたいと思います。
ネタバレを含みますので、本編ご鑑賞後に記事をご覧ください。
エブエブのオマージュ・元ネタまとめ13個
①「2001年宇宙の旅」
人類の指がソーセージになった宇宙のシーン。
紀元前1000年前に、
ソーセージ人類の祖先である猿が、
普通の指を持つ猿に勝利するシーンがあります。
これは明らかに「2001年宇宙の旅」のオマージュです。
この映画では、
人類の祖先である猿が、
落ちていた骨を拾い、
狩猟の道具として使うというシーンでした。
「エブエブ」の宇宙では、
この時「骨」ではなく「ソーセージの指」を使った
だからソーセージの指の人類が進化した
というパロディなのでしょう。
②「レミーのおいしいレストラン」
エヴリンがシェフになった宇宙のシーン。
エヴリンの同僚で、
腕の良い鉄板焼きシェフのチャド。
彼にはある秘密がありました。
それはシェフハットの中にアライグマが隠れていて、
このアライグマがチャドの髪の毛を引っ張りながら、
操っているということ。
もしかしたら、
エヴリンが娘ジョイを、
自分が思うように操ろうとしていることへの
皮肉をこめたシーンなのかもしれません。
そしてこのシーンは、
アニメ「レミーのおいしいレストラン」のオマージュです。
こちらの作品では、
アライグマではなくネズミが主人公のシェフを操っていました。
ちなみにチャドを演じるのは、
ドラマ「glee/グリー」のマイク・チャンを演じたハリー・シャム・ジュニア。
海外ドラマファンにはおなじみの俳優さんですね。
③「花様年華」
エヴリンが世界的な映画スターになっている宇宙のシーン。
雨の中でウェイモンドと話すシーンがありました。
このシーンは、
ウォン・カーウァイ監督の「花様年華」のオマージュです。
- 二人が立つ構図
- ウェイモンドの服装
- ウォン・カーウァイならではの色使い
このような部分がそっくりでした。
ちなみに、
ウェイモンドを演じて大ブレイクしたキー・ホイ・クァン。
実は子役として大ブレイクした後、
俳優業が上手くいかなくなり、
裏方の仕事に携わっていた時期がありました。
「花様年華」の続編「2046」(木村拓哉出演)では、
助監督を務めており、
木村拓哉さんの通訳などを務めていたそうです。
この「花様年華」のオマージュシーンは、
キー・ホイ・クァンにとって
感慨深いシーンだったかもしれませんね。
④「マトリックス」
「エブエブ」の主軸となるマルチバースの世界。
今いる自分とは違う人生を選択した自分が生きる宇宙が、
無数に存在するというものです。
エブリンはバース・ジャンプを使って
別の宇宙の自分の能力やスキルをマスターしていきます。
この世界観は「マトリックス」のオマージュと言えるでしょう。
「マトリックス」の場合は、
ネオはマトリクスの体験を通して、
現実世界で特殊能力が使えるようになっていました。
「エブエブ」はあらゆる別宇宙の能力を得ることができるので、
「マトリックス」の応用編という感じですね。
「マトリックス」らしい演出も
さらに、
- カンフーアクション
- スローモーションになるアクションシーン
などの要素も、
「マトリックス」のオマージュが感じられました。
⑤「グランド・マスター」
国税局でウェイモンドがウエストポーチを武器に戦うシーン。
このアクションシーンは、
ウォン・カーウァイ監督の「グランド・マスター」のオマージュ。
監督が自らこの作品の列車のシーンを参考にしたことを
明かしています。
アジアを代表する
- トニー・レオン
- チャン・ツィイー
という大スターが共演した作品ですね。
⑥「グーニーズ」
こちらも、
国税局でウェイモンドがウエストポーチを武器に戦うシーン。
ウェイモンドはウエストポーチを巧に操り、
敵を倒していきます。
このウエストポーチの描写は、
「グーニーズ」のオマージュです。
この作品は、
ウェイモンドを演じているキー・ホイ・クァンが
子役時代に活躍した作品。
彼が演じた少年データは、
身の回りのものを武器にすることを特技としており、
その小道具の一つがウエストポーチだったのです。
「グーニーズ」の子役たちは今も仲良し!
「グーニーズ」の子役たちは
今でも強い絆で結ばれており、
グループメールで連絡を取り合っているといいます。
少年チャンクを演じたジェフ・コーエンは
現在ハリウッドで弁護士をしており、
クァンの「エブエブ」の契約交渉をしたのは、
彼だったそうです。
さらに、クァンは少年マウスを演じたコリー・フェルドマンを
「エブエブ」の初回上映会に招待。
コリーはウエストポーチのシーンに大興奮したといいます。
「エブエブ」は「グーニーズ」ファンにとっても
たまらない作品と言えますね。
⑦「千年女優」「パプリカ」
監督のダニエルズは、
日本のアニメ監督・今敏(こんさとし)監督作品からも
影響を受けていることを明かしています。
・マルチバースを行き来して現実との境界線が曖昧になる描写は、
「千年女優」に似ている
・エヴリンが女優の宇宙で映画館でクレジットが出るシーンは
「パプリカ」のラストシーンと似ている
このようなシーンで
今敏監督作品へのオマージュが感じられます。
⑧「スターウォーズ」
エヴリンが戦うことになる悪の根源とされる人物は、
実は闇落ちした娘のジョイでした。
この流れは「スターウォーズ」のオマージュだという意見もあります。
「スターウォーズ」では、
悪の帝王ダースベイダーが実は父親だったというオチでした。
名セリフのパロディ?
またこの時の「スターウォーズ」の名セリフ
「I'm not your father.」(私はお前の父親だ)
が引用されていると思われるシーンもありました。
映画中観でアルファバースからきたゴンゴンに、
エヴリンは「Father?」(お父さんなの?)と訊きます。
するとゴンゴンは、
「I'm not your father.」(私はお前の父親ではない)
と答えるシーンがあります。
また、ラストでベーグルに入ろうとするジョイを、
エヴリンが止めようとする場面で、
「I am your mother.」(私はあなたの母親よ)
と言うシーンがあります。
この2つのシーンは、
「スターウォーズ」のパロディな感じがしますね。
⑨「キル・ビルvol.2」
エヴリンがカンフーの達人になっている宇宙のシーン。
エヴリンが師匠とトレーニングをするシーンがあります。
これは「キル・ビルvol.2」で、
ユマ・サーマン演じる主人公が
中国拳法の師匠に武術を習うシーンのオマージュでしょう。
⑩「バックトゥザフューチャー」
エヴリンの父親ゴンゴンは、
電動椅子に乗って移動しています。
この車椅子の描写は、
「バックトゥザフューチャー」へのオマージュだという説もあります。
ゴンゴンの電動車椅子は、
「バックトゥザフューチャー」に登場する
デロリアンをモデルにしていると言われています。
デロリアン同様に家庭ごみを燃料とする小型の核融合炉が
車椅子の後ろにあるそうです。
⑪「死霊のえじき」
国税局で刺客たちがエヴリンを襲ってくるシーン。
用具室のドアを突き破ってたくさんの手が出てくるシーンは、
「死霊のえじき」のオマージュだと言われています。
手が出てくる有名なシーンにそっくりでしたね。
⑫「JOKER」
エヴリンがピザ屋の看板持ちをしている宇宙のシーン。
看板を巧みに操る能力を得たエヴリンは、
その技を使ってマルチバースの刺客たちを倒していきます。
このシーンは「JOKER」のオマージュだという説があります。
ジョーカーははじめ、
街頭でピエロの格好をして、
宣伝用の看板を持つという仕事をしていました。
この時のジョーカーの雰囲気と、
エヴリンの雰囲気が似ている感じがしますね。
⑬「大乱闘スマッシュブラザーズ」(ゲーム)
最後は映画ではなくゲームへのオマージュ。
任天堂のゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」の効果音が
使われたシーンがありました。
・映画中盤でエヴリンが娘ジョイを小指で吹き飛ばすシーン
・映画終盤でエヴリンが敵を吹き飛ばすシーンで
こちらのシーンで使われた効果音は、
「大乱闘スマッシュブラザーズ」の
クリティカルヒットの時のものなんだそうです。
ゲーム好きならすぐにわかる効果音だったようです。
まとめ
今回は「エブエブ」のオマージュとされる元ネタについて
調べてみました。
アニメ作品からSF大作や不朽の名作など、
様々な作品の要素が盛り込まれていることがわかりました。
このような小ネタを知った上で鑑賞すると、
さらに面白さが倍増しますね。