リトルマーメイドはハッピーエンド?原作の結末も実はハッピーエンドだった?

映画「リトルマーメイド」は、

ディズニーらしいハッピーエンドですよね。

しかし、

原作の「人魚姫」はバッドエンドだったのでは?

と思う方もいるでしょう。

そこで今回は、

「リトルマーメイド」「人魚姫」の

それぞれの結末について調べてみました。

目次

「リトルマーメイド」はディズニーらしいハッピーエンド

アリエルは人間になり王子と結ばれる


https://www.disney.co.jp/studio/animation/0730

映画の終盤、

魔女アースラの魔法によって、

人魚の姿に戻ってしまったアリエル。

しかし王子エリックがアースラを倒したことで、

アリエルの父であるトリトン王は元の姿に。

そして、アリエルを人間の姿にしてあげます。

人間になれたアリエルは、

エリック王子と結婚することができました。

「王子様といつまでも幸せに過ごしました」

というディズニーらしいハッピーエンドと言えるでしょう。

新しい時代のハッピーエンドだった

ディズニープリンセスらしい

ハッピーエンドを迎えるアリエルですが、

当時においては

新しい時代のハッピーエンドだったようです。

「白雪姫」(1950年):白雪姫
「シンデレラ」(1952年):シンデレラ
「眠れる森の美女」(1960年):オーロラ姫

このようなディズニー初期のプリンセスは、

白馬に乗った王子様を待っている系

のプリンセスです。

王子様に見つけてもらうのを待っている感じですね。

1950~1960年代の女性の在り方が

反映されているのでしょう。

しかし「リトルマーメイド」以降は、

自分で未来を切り開いて王子様と結ばれる系

のプリンセスへと進化しました。

「リトルマーメイド」(1989年):アリエル
「美女と野獣」(1992年):ベル
「アラジン」(1993年):ジャスミン

これらのプリンセスは、

ただ待っているのではなく、

自ら行動した結果、

幸せを手に入れることができていますね。

自ら行動して幸せを手に入れたアリエル


https://eiga.com/news/20230505/6/

人間の王子に恋をしたアリエルは、

平和で安心できる人魚の世界を離れて、

人間の世界に飛び込みます。

そして様々なトラブルに見舞われながらも、

最終的には王子様の愛を得ることができたのです。

当時においては、

新しい時代のディズニープリンセス

そして新しい形のハッピーエンドだったのでしょう。

「リトルマーメイド」の原作「人魚姫」はハッピーエンド?

「人魚姫」はやや複雑な結末

わかりやすいハッピーエンドの

「リトルマーメイド」に比べて、

原作の「人魚姫」はやや複雑です。

「人魚姫」の結末までの流れを見てみましょう。

・人魚姫がエリック王子を水難事故から救うも、王子は隣国の姫が助けたと勘違い。

・人魚姫は「声を失うこと・王子に愛されなければ海の泡になってしまうこと」を条件に人間になる。

・声を出せず王子に真実を伝えられない人魚姫。王子は隣国のプリンセスと結婚してしまう。

姉たちから「王子を殺せば海の泡にならずに済む」とナイフを渡される。

・寝ている王子を殺そうとするも、好きな人と結婚して幸せな王子を殺めることはできない。

・海の泡になり消える人魚姫。しかしその後、風の精霊になり、魂を得るチャンスを与えられる。

このような流れなのですが、

結局ハッピーエンドなの?バッドエンドなの?

とわかりにくいですよね。

もう少し詳しく見ていきましょう。

恋物語としてはバッドエンド

イラスト

人魚姫が魔女と取引をして人間になった理由は、

王子の愛を得たかったからです。

しかし声を失った人魚姫は、

愛されるどころか、

王子に「あなたを助けたのは姫ではなく私です」

という事実を伝えることもできませんでした。

そして他の女性と幸せになる王子の幸せを願い、

自らの身を引く決断をします。

「王子と結ばれたかった人魚姫の恋物語」

として考えると、

明らかにバッドエンドと言えるでしょう。

ハッピーエンドとも言える

子供向けに書かれた「人魚姫」は、

泡になって消えたところで終わっていることが多いので、

バッドエンドのイメージが強い方も多いようです。

しかし、泡になって消えた後には重要な続きがあります。

その内容を紐解くと、

ハッピーエンドであるという見方もできます。

その理由は、

人魚姫は「魂を得ることができたから」です。

もう少し詳しくご説明しますね。

人魚は魂を持っていない

まず頭に入れておきたいことは「魂」に関する情報です。

人間の王子に恋をした人魚姫は、

祖母に人間について教えてもらいます。

・人魚は300年と寿命が長いけれど、最後は泡になって消えてしまう
・人間は短命だけど、「魂」というものがあるため、死んでも天国で永遠に幸せに暮らせる
人間に愛してもらうことができれば、人魚も「魂」を手に入れることができる
・しかし姿の違う人魚を、人間が愛する可能性はとても低い

ポイントは「人魚は魂を持っていない」ということ。

実はこれはキリスト教における考え方であると言われています。

人間以外の生き物は魂をもたない

とされているそうです。

人間ではない人魚は、

寿命は長くても、最後はただ消えてしまう運命なのですね。

このようなことを聞いた人魚姫は、

王子に愛され、魂を得るという可能性にかけて、

声を引き換えに人間の姿になる決断をしたのでした。

王子を殺せなかった人魚姫

人間の姿になり王子に近づくことはできた人魚姫ですが、

真実を語る「声」がないという足かせにより、

王子の愛を得ることはできませんでした。

このままでは海の泡(=死)になってしまう人魚姫。

しかし姉たちの助けにより「王子を殺せば海の泡にならずに済む」

というチャンスを得ます。

ところが人魚姫は王子を殺せませんでした。

人魚姫は自分が助かることよりも、

王子の幸せを願ったからです。

そして海に身を投げて「海の泡」になるのでした。

魂を授かるチャンスを得た

問題はこの後です。

海の泡になった人魚姫の体は空に浮かび上がり、

風の精霊に生まれ変わったのです。

そして周りにいる精霊から

あなたは風の精霊に生まれ変わった。
300年、風の精霊としての務め(良い行いをすること)を果たすことができれば、
人間のように魂を得ることができる

と説明されます。

本当の愛を知ることができたから

どうして人魚姫は

泡(=死)にはならず風の精霊になれたのでしょうか。

その理由として有力なのは、

本当の愛を知ることができたから

という考え方です。

姉たちから短剣を受け取った人魚は、

はじめは寝ている王子を殺そうと試みます。

しかし王子の王女の名を呟く寝言を聞いた瞬間

王子の幸せを奪ってはいけない

と思い、自ら命を絶つことを選びます。

祖母の話からすると、

人魚である姫には心(魂)はないため、

王子への恋心は好奇心や憧れだったのでしょう。

しかし人間の世界で苦しみ抜いた末に、

人魚は本当の「愛する心」を手に入れていたのです。

このような本当の愛を知ることができた人魚姫に対し、

救いの手が差し伸べられた

という説が有力です。

人魚姫は自らの力で運命を切り開いた

祖母の話では、

「人間から愛されれば人魚でも魂を得られる」

とされていましたが、

人魚姫は人間の力を借りずとも、

自らの手で魂を手に入れるチャンスを得たのです。

中途半端な存在のまま

王子に見初められて「魂を得る」よりも、

壮大なハッピーエンドだと言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回は「リトルマーメイド」「人魚姫」の

ハッピーエンドの違いについて調べてみました。

「リトルマーメイド」は、

当時の新しいプリンセス像らしいハッピーエンド

であることがわかりました。

「人魚姫」に関しては、

王子と結ばれたかった人魚姫の物語

として見るとバッドエンドですが、

人間のような永遠の魂を得たかった人魚姫の物語

として見ると、ハッピーエンドと言えるでしょう。

どちらも興味深いハッピーエンドと言えますね。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次