Netflixオリジナル映画の「グッドナース」は
実際に起きた看護師による連続殺人事件を描いたサスペンスです。
オスカー女優のジェシカ・チャステインの熱演が高く評価されています。
今回はエイミー役のジェシカ・チャステインに迫りたいと思います。

「グッドナース」のエイミー役はジェシカ・チャステイン
ジェシカ・チャステインの生い立ち

本名:Jessica Chastain
生年月日:1977年3月24日
年齢:45歳(2022年11月現在)
出生地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州サクラメント
身長:163cm
ジェシカ・チャステインは、
1977年3月24日にカリフォルニア州サクラメントで誕生しました。
ジェシカの母は16歳の時に彼女を出産しており、
父親もまだ10代だったため、ジェシカから引き離されてしまったそうです。
ジェシカは母と、消防士の継父に育てられました。
「サンデータイムズ」のインタビューでは、
非常に貧しい子供時代だったことを明かし、

恨みや憤りを感じながら育った。
私たちは何も持っていなかったから。
食べ物すらありませんでした。
と語っていました。
現在のゴージャスな彼女から、
かけ離れた幼少時代だったことに驚きます。
7歳の時に演劇に興味を持つ

7歳の頃に祖母にミュージカルにつれていってもらったジェシカは、
演劇に興味を持ったといます。
その後、アメリカ演劇芸術アカデミーで教育を受けた後に、
ニューヨークの名門ジュリアード学院演劇部門に入学しました。
学生映画や舞台などに出演しています。
「ロミオとジュリエット」のジュリエット役を演じたこともあったそうです。
ジュリアード学院に入れたのはロビンソン・ウィリアムズのおかげだった

食べる物もなかったという幼少時代を経て、
名門ジュリアード学院に入学したジェシカ・チャステイン。
どうして極貧生活から抜け出して、名門校に入学することができたのでしょうか。
それは、俳優の故ロビン・ウィリアムズのおかげだったといいます。
ロビン・ウィリアムズが立ち上げた奨学金のおかげで、
ジュリアード学院に入れたそうです。
ジェシカ・チャステインはインタビューの中で

苦しんでいるのを見ていた人たちが助けてくれたから今の私がある
と話していました。
また、ロビン・ウィリアムズが亡くなったことで、
きちんと感謝の気持ちを伝えられなかったという後悔についても話していました。
ジェシカ・チャステインは後に、
自殺の予防のために活動をする慈善団体に多大な寄付をされています。
31歳で映画デビュー

2004年、27歳の頃からテレビドラマなどに出演しキャリアを積みます。
そして2008年、31歳の時に「Jolene」で映画デビュー。
ジュリアード学院を2003年に卒業されていますので、
5年ほどの下積み時代を経験されています。
この作品は残念ながら日本未公開作品でした。
ジェシカ・チャステインは、この作品で
シアトル国際映画祭・最優秀主演女優賞を受賞。
注目の若手女優となったのです。
「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」でアカデミー助演女優賞にノミネート

その後、いくつかの映画出演を経て、
2011年に映画「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」に出演。
アカデミー助演女優賞にノミネートされ、大注目されました。
ジェシカにとって転機となった作品と言えます。
1960年代、ミシシッピ州の田舎町を舞台に、ライター志望の若い白人女性スキーターと、
黒人メイドたちの友情を描いた物語です。
批評家から高い評価を受けた作品なのですが、
実はこの作品はオスカーを呼び込む作品としても知られています。
この作品のメインキャスト4人のうち3人がアカデミー賞にノミネートされました
- スキーター役のエマ・ストーン
- エイビリーン役のヴィオラ・デイヴィス:助演女優賞ノミネート
- ミニー役のオクタヴィア・スペンサー:助演女優賞受賞
- シーリア役のジェシカ・チャステイン:助演女優賞ノミネート
この作品では、オクタヴィア・スペンサーが助演女優賞を受賞する結果になりました。
しかし、この後、主演のエマ・ストーンは「ラ・ラ・ランド」(2016年)で主演女優賞を受賞。
ヴィオラ・デイヴィスは「フェンス」(2016年)で助演女優賞を受賞。
さらに、ジェシカ・チャステインは「タミー・フェイの瞳」(2021年)で主演女優賞を受賞しています。
エマ・ストーンとヴィオラ・デイヴィスは同じ年に主演と助演を受賞しています。
オスカーを呼び込む映画と噂されるのも納得ですね。
彼女達の演技に引き込まれる、素晴らしい作品でした。
映画賞を多数受賞・ノミネートの演技派女優に

「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」の成功の後、
ジェシカ・チャステインは実力派女優として数多くの映画賞を受賞しました。
- 「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012年):アカデミー主演女優賞ノミネート
- 「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」(2014年):ゴールデングローブ賞 助演女優賞ノミネート
- 「女神の見えざる手」(2016年):ゴールデングローブ賞 主演女優賞 ノミネート
- 「モリーズ・ゲーム」(2017年)ゴールデングローブ賞 主演女優賞 ノミネート
- 「タミー・フェイの瞳」(2021年):アカデミー主演女優賞受賞
アカデミー賞とゴールデングローブ賞以外にも、たくさんの映画賞を受賞されています。
「ゼロ・ダーク・サーティ」では18の映画賞を受賞、3つの映画賞にノミネートされました。
夫はモンクレールの重役

演技派女優として成功をおさめる一方で、
私生活も充実しています。
2012年からファッションブランド「モンクレール」の重役である
ジャン・ルカ・パッシ・デ・プレポスーロと交際。
2017年6月10日に結婚しています。
彼はイタリア貴族出身でもあります。
そしてとてもイケメンですね。
ジェシカ・チャステインは、あまり子供についての情報を公にしていないのですが、
彼との間には、代理出産で授かった2人の子供がいるそうです。
フェミニストとして活動

ハリウッドを代表する女優の1人となり、超セレブの夫と結婚したジェシカ・チャステイン。
しかし、幼少時代の苦労や女優としての下積み時代を経験してきた彼女は、
非常に芯の通った女性としても知られています。
女性の権利を守るための活動を積極的に行っており、
さまざまな意見を発信してきました。
2017年のカンヌ国際映画祭に審査員として参加した時には

今回これらの作品中に登場する女性を見て分かったのは世界が、
どんな風に女性を見ているかということでです。
正直戸惑いを感じました。
女性の語り手が増えれば、
映画の中でももっと現実的な女性キャラクターが見られると信じています。
このような発言をして話題となりました。
また別のインタビューでは、

メリル・ストリープが大好きで素晴らしい女優。
でもあの年代で彼女のような役を手にすることができるのはメリルだけだと思う。
さらに、名女優スーザン・サランドンの映画もまた見たいと語り、
名女優でさえ、60代になると活躍するのは難しくなっていると指摘したのです。
エディ・レッドメイと仲良し

ジェシカ・チャステインは、
「グッドナース」で共演したエディ・レッドメインと仲が良いことで知られています。
ジェシカが「タミー・フェイの瞳」でアカデミー主演女優賞を受賞した時、
バックステージでのコメントが話題となりました。
ロンドンにあるエディの家に訪れたというジェシカ。
他の友人は、エディが「博士と彼女のセオリー」で主演男優賞を受賞した時のオスカー像を
触ったといいます。
しかし、ジェシカは
持てない!
と断ったそう。
ジェシカは「オスカー像に触ったら受賞できなくなる」と思っていたそうです。
結果的にオスカーを手にしたジェシカ。
その後、他の人のオスカー像に触るのを控えようと思う
俳優、女優が増えたかもしれませんね。
今回「グッドナース」で初めて共演することになったジェシカとエディ。
お互いに不安があったそうですが、
ジェシカもエディも同い年の子どもがいたことや、仕事への打ち込み方が似ていることもあり、
すぐに息の合った演技ができたそうです。
「グッドナース」のエイミーの演技が素晴らしい
エイミーは問題を抱える看護師

「グッドナース」でジェシカ・チャステインが演じたのはエイミーという看護師です。
エイミーは、人手不足の中、過酷な夜勤を続ける看護師で、
2人の娘を育てるシングルマザーでもあります。

さらにエイミーは心臓の病気を抱えており、
検査により移植が必要なレベルであることがわかります。
しかし、医師から仕事を休むように言われるも、
健康保険や有給がないために、今すぐ休める状況ではありません。
病院に持病のことを知られると働けなくなるため、
誰にも打ち明けずに激務に耐えていました。
そんな心身共に追い詰められた彼女の支えになったのが、
彼女の病院に配属された看護師チャーリーだったのです。
病気の秘密を知った上で、親身になり優しく支えてくれるチャーリー。
エイミーはチャーリーの優しさに感謝するのでした。

おさえた演技が素晴らしい

この作品では、ジェシカ・チャステインのおさえた演技が非常に印象的でした。
はじめのほうのシーンで、心臓の検査を受けたエイミーは
医師から移植が必要になるレベルの状態であることを告げられ、
仕事を休むように言われます。
しかしほとんど表情を変えずに、「健康保険も有給もないから無理」と淡々と話します。
本当に悲惨な状況に陥った瞬間、
人は大袈裟に取り乱すよりも、静かに受け入れることのほうが多いのではないでしょうか。
しかし、取り乱す演技はできても、その微妙な表情を演じるのはとても難しいでしょう。
ジェシカ・チャステインは見事に表現していました。
繊細な演技に圧倒される

さらに物語の終盤に、逮捕されたチャーリーから自供を引き出そうとするシーンがあります。
エイミーはチャーリーが今まで支えてくれたことに対して感謝を告げた上で、
本当のことを話してほしいと冷静にお願いします。
そして、チャーリーはついに被害者の名前を話し始めるのでした。
そんなチャーリーを目の前にして
静かに涙を浮かべるエイミー。
何とも言えない悲しい表情に引き込まれました。
チャーリーという殺人鬼に対する恐ろしさや怒り
チャーリーを止められなかったことへの悔しさ
被害者に対する悲しみ
おそらく、このような気持ちが入り混じっていたのだと思います。
その繊細な演技に圧倒されます。
実在のエイミーもチャーリーに複雑な想いを抱いていた

この映画は実話をもとに描かれているため、
エイミーは実在の人物です。
実在のエイミーも、チャーリーが患者の死に関わっていることを警察に警告し、
捜査に協力しています。
実際にチャーリーから殺人に関する自供を引き出したのも、映画のストーリーと同じく、
エイミーでした。
そして実在のエイミーも、チャーリーに対して複雑な気持ちを抱いていたといいます。
チャーリーの優しさに触れていて、心を寄せていたというのです。
その非常に難しい心境をジェシカ・チャステインは見事に演じていました。
役によって印象が大きく変わる
「グッドナース」では殺人鬼に翻弄される疲れた看護師を演じたジェシカ・チャステイン。
彼女のすごいところは、作品ごとに印象がガラリと変わることです。

「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」(2011年)では、
大邸宅に住む超美人のシーリアを熱演。
鈍感な性格で空気が読めないシーリアは、周りをイライラさせて嫌われるタイプなのですが
なぜか好感が持ててしまう愛されキャラでした。
この演技力は高く評価され、アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。

「女神の見えざる手」(2016年)では、
政府を影で動かす戦略のプロである天才ロビイストを演じました。
真っ赤な口紅に黒を基調としたファッションにハイヒール。
超有能でかっこいいキャリアウーマン役がとてもハマっていました。

「モリーズ・ゲーム」(2017年)では、
ゴージャスでセクシーな高額ポーカー・ゲームの経営者を演じました。
露出の少ない服のフェミニスト役が多いイメージがあったため、
新鮮なセクシーなドレス姿に釘付けになった方も多いはずです。
このように、それぞれのキャラクターを巧みに演じ分けるところが、
ジェシカ・チャステインの凄さと言えるでしょう。



まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「グッドナース」のエイミー役の
ジェシカ・チャステインについてご紹介してきました。
名女優としてハリウッドで大成功をおさめた女優の1人ですが、
過酷な幼少時代を送っていた事実には驚きました。
今後もさまざまな作品で素晴らしい演技を見せてくれるでしょう。