実力派俳優で知られるジャック・ニコルソン。
「シャイニング」やジョーカー役など、
狂った役を怪演してきました。
長きにわたり第一線で活躍してきたニコルソンは、
どんな経歴なのでしょうか。
この記事ではデビューから現在まで
ジャック・ニコルソンの経歴をまとめています。
ジャック・ニコルソンの経歴・プロフィール
複雑な家庭環境で育つ
生年月日:1937年4月22日
年齢:86歳(2023年11月現在)
出生地:アメリカ合衆国 ニュージャージー州
民族:アイルランド系アメリカ人
アメリカ・ニュージャージー州で生まれたジャック・ニコルソン。
父親:興行師ドナルド・フルシオ(イタリア系)
母親:ショーガールのフランシス・ニコルソン(アイルランド系)
両親は結婚しておらず、
父は他に家庭があり、母はまだ16歳。
育児放棄した母の代わりに、
母の両親(ジャック・ニコルソンの祖父母)が、
自分の子として育てました。
そのためジャックは、
祖父母→両親
母親→姉
だと思っており、
38歳で事実を知った時には、
すでに祖父母の母親も他界していました。
役者を目指しロサンゼルスへ
ジャック・ニコルソンが
俳優を目指した理由は不明ですが、
高校卒業後は俳優を目指して、
ロサンゼルスへ引っ越しています。
アクターズスクールで演技を学びながら、
1956年にメトロ・ゴールドウィン・メイヤー社に入社。
アニメーション部門で、
雑用係として働き始めました。
芸術的才能が認められたニコルソンは、
「トムとジェリー」のアニメ監督、
ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラから、
社員としてアニメ制作に加わるように推薦されます。
しかしあくまでも役者志望だったニコルソンはこれを断り、
役者の道を突き進むことを選びました。
多くのB級映画でキャリアを重ねる
1958年に「The Cry Baby Killer」という映画で
俳優デビューを果たします。
その後、B級映画の帝王ロジャー・コーマン監督の作品に出演。
B級映画に出演、監督、制作、脚本として関わり、
多くの経験を積みました。
「イージー・ライダー」で知名度を上げる
ロジャー監督作品で共演した
- デニス・ホッパー
- ピーター・フォンダ
から誘われて出演した「イージー・ライダー」(1969年)です。
デニス・ホッパーが、
監督、脚本、出演を務め低予算で制作された本作。
ニコルソンが演じたジョージ・ハンセン役は、
ギャラが安すぎて誰もオファー受けなかった
という理由で回ってきたといいます。
この作品は若者を熱狂させ大ヒットを記録。
ニコルソンはこの作品で、
アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、
一気に知名度を上げることになります。
「シャイニング」が大ヒット!
ジャック・ニコルソンと言えば、
この表情を思い浮かべる方は多いでしょう。
スティーブン・キングの小説を
スタンリー・キューブリック監督が映画化したホラー傑作の「シャイニング」。
ギラギラした独特の顔を活かした
ニコルソンの狂気に満ちた演技は大絶賛されます。
超能力ではなく人間の持つ狂気を巧みに演じ、
観る人すべてを震撼させました。
作品は空前の大ヒット。
ニコルソンの人気は不動のものとなりました。
初代ジョーカーを怪演!
アメコミのバットマンシリーズに登場する
サイコパスで宿敵のジョーカー。
これまで複数の俳優が演じてきたキャラクターですが、
映像化された初代ジョーカーを演じたのはニコルソンです。
ティム・バートン監督の「バットマン」(1989年)で
狂気に満ちたジョーカーを怪演しています。
当時はオスカー俳優がアメコミの悪役を演じるということは
非常に稀なことだったため、
ネガティブな意見も多かったといいます。
しかし公開してみると、
圧倒的な存在感で完全に主役を食ってしまったニコルソン。
ニコルソンの新たな魅力を引き出した作品となりました。
狂気とコミカルさを兼ね備えた
独特な雰囲気を持つジョーカー。
この原点となったのは、
ジャック・ニコルソンでした。
その後、様々な俳優が演じたジョーカー。
2008年の「ダークナイト」ではヒース・レジャーが熱演。
2016年の「スーサイド・スクワッド」では、
実力派俳優ジャレッド・レトが演じています。
2019年の「ジョーカー」では、
ホアキン・フェニックスの演技は非常に高く評価されました。
アカデミー賞常連俳優に
「イージー・ライダー」でアカデミー賞にノミネートされてから、
・アカデミー賞ノミネート12回
・アカデミー賞受賞3回
という快挙を成し遂げたニコルソン。
ノミネートは男優としては最多記録を持っています。
また彼のすごいところは、
- 1960年代
- 1970年代
- 1980年代
- 1990年代
- 2000年代
と、各年代でノミネートされています。
実際の受賞作品はこちら。
1969年「イージー・ライダー」助演男優賞ノミネート
1970年「ファイブ・イージー・ピーセス」主演男優賞ノミネート
1973年「さらば冬のかもめ」主演男優賞ノミネート
1974年「チャイナタウン」主演男優賞ノミネート
1975年「カッコーの巣の上で」主演男優賞受賞
1981年「レッズ」助演男優賞ノミネート
1983年「愛と追憶の日々」助演男優賞受賞
1985年「女と男の名誉」主演男優賞ノミネート
1987年「黄昏に燃えて」主演男優賞ノミネート
1992年「ア・フュー・グッドメン」助演男優賞ノミネート
1997年「恋愛小説家」主演男優賞受賞
2002年「アバウト・シュミット」主演男優賞ノミネート
いかに長きにわたり活躍してきたかがわかりますね。
このように各年代にノミネートされた記録を持つ俳優は、
ニコルソン以外には、
- マイケル・ケイン
- ポール・ニューマン
の2人だけです。
低迷期なしの実力派
浮き沈みが激しい俳優が多い中で、
ニコルソンは低迷期がなく、
デビューから現在に至るまで第一線で活躍し続けている
稀な俳優と言えます。
「イージー・ライダー」で共演した
デニス・ホッパー、ピーター・フォンダは、
様々なトラブルなども重なり、
ややスランプ気味になりました。
ニコルソンはそのようなスランプがない真の実力者と言えるでしょう。
結婚は1回、子どもは5人?
ニコルソンは1962年25歳の若手時代の時に
女優のサンドラ・ナイトと結婚。
長女ジェニファーを授かりますが、
1968年に離婚しています。
「イージー・ライダー」でブレイクする前の年です。
俳優としてブレイクした後は、
様々な女優たちとのロマンスがありましたが結婚は1度だけ。
さらに恋人のモデルのレベッカ・ブローサラドとの間にも
二人の子どもが誕生しています。
ニコルソンの子供は公には以下の3人となっています。
長女ジェニファー:1963年生まれ、母親は元妻サンドラ・ナイト
長男レイモンド:1992年生まれ、母親は元恋人で女優のレベッカ・ブルサード
次女ロレイン:1990年生まれ、母親は元恋人で女優のレベッカ・ブルサード
ニコルソンとレベッカは結婚していませんが、
家族関係を築いていました。
しかしニコルソンにはこの3人以外にも
2人の隠し子がいたと言われています。
隠し子騒動があった?
ニコルソンは公式に認めている以外に、
以下2人の隠し子がいたようです。
ケイレブ:1970年生まれ、母親は女優のスーザン・アンスパッチ
ハニー:1981年生まれ、母親はスーパーモデルのウィニー・ホールマン
女優スーザンは息子ケイレブの父親はニコルソンだと主張しましたが、
ニコルソンはこれを否定。
しかし養育費はニコルソンが負担したとのこと。
モデルのウィニーの娘ハニーはニコルソンも自分の子どもだと認めた上で、
養育費を負担していたそうです。
レイカーズの大ファン
ジャック・ニコルソンは、
NBA(北米の男子プロバスケットリーグ)のファンとしても有名です。
そして地元チームであるロサンゼルス・レイカーズの熱心なファン。
テレビ中継で流れるニコルソンが最前列で観戦している姿は、
おなじみの光景なのだそうです。
レイカーズなどが本拠地としているステイプルズ・センターの
コート側の最前列、レイカーズのスコア・テーブル脇が
ニコルソンの「いつもの席」と言われています。
レイカーズのホームゲームは絶対に見逃さないというニコルソン。
映画撮影中でもホームゲームが優先されるため、
制作側はレイカーズの試合スケジュールをチェックしながら
撮影を行っているそうです。
ジャック・ニコルソンの現在は?
認知症説はデマ!
2010年の「幸せの始まりは」以降、
スクリーンから姿を消してしまったニコルソン。
事実上の休業状態になりました。
この時ニコルソンは73歳。
最近は80代になっても活躍中のベテラン俳優が多いこともあり、
このタイミングで休業したのは健康面の不調があるのでは
という推測報道がありました。
記憶障害によりセリフが覚えられなくなった
という記事が掲載されたことで、
認知症を患っているという噂が拡散したようです。
しかしこれは全くのデマ。
ニコルソン側もこれをキッパリ否定。
記憶障害でも認知症でもないと回答しています。
俳優引退宣言?
2010年の「幸せの始まりは」を最後に
休業状態になったニコルソン。
2013年にThe Sunのインタビューで、
心境を語っています。
死ぬまでもう仕事をするつもりはない。
もはや表舞台に立つ必要はない。
とコメントしていました。
しかしニコルソンのカムバックを期待する声は多く、
ロバート・ダウニー・Jrが「シャーロック・ホームズ」の続編に
出演にオファーを出して、
ニコルソンの引退を撤回させようとしたこともありました。
しかし現在に至るまで、
ニコルソンのカムバックは実現されていません。
体重激増が話題に
引退生活に突入し露出が減ったニコルソン。
2019年にレイカーズの試合観戦をする姿がパパラッチされました。
久しぶりに目撃されたニコルソンは激太りしており、
でっぷりとしたお腹と二重あごの変わり果てた姿に。
このニコルソンの姿には、
健康上の心配をする声が多く上がりました。
【2023年現在】ジャック・ニコルソンは健在!
2023年11月に、
長年の友人である映画プロデューサーのルー・アドラーが、
ポッドキャスト番組「WTF with Marc Maron」で、
ジャックの近況を明かしています。
彼はそれが何であれ、本当にやりたいことをやっているよ。
彼は静かにしていたいんだ。
彼が食べたいものを食べたくて、彼が望む人生を生きたいんだ。
映画出演する気持ちはもうないとのことですが、
余生を静かに楽しんでいるジャックの様子に
多くのファンが安堵したようです。
まとめ
怪演で映画ファンを魅了してきたジャック・ニコルソン。
実力派俳優として時代を駆け抜けただけでなく、
複雑な家庭環境の生い立ちや、
現在体重激増の現在まで、
波乱万丈の人生だったことがわかりました。
引退されたことは寂しいですが、
ゆっくり隠居生活を楽しんでほしいですね。